一歩、自室に踏み込むと、まず遮光カーテンあたりの圧倒的な重量感さえある闇に威嚇される。まるで蟲師#2でいうところの「二つ目の瞼」を閉じるがごとし。この軽いパニック感覚… これはかつて勤めていた印刷会社製版部にて原版フィルムの現像室に入った瞬間と同じだ。
…たしかに冷えの方はやや改善されたけれど、ちょっとした日中の着替えにさえ室内灯を付けねばならんというのも嫌だしな。…あ、どうもカーテンは一旦付けたら横には引けない仕様なんだわ。色々状況があって。
それにしても、色々とすれてきて昔ほどこわいものは無くなったと思ってたけど、純度の高い闇に関しては別格ですわ。あの恐怖の質は、外側に向けられたものではない気がする。自分の精神の内側から、冥いかたまりが瞬間的にぶわっと膨張する感じ。