2006年04月30日

BLOOD+#29「呪われた血」

自分の存在がふつうと違うことに苦しんでいるのは、小夜もシフたちも同じ。だけどシフには同じ出身の仲間たちがいる(石化して分解したイレーヌの遺体パーツを抱きかかえる姿は雄弁な描写でした)し、小夜にも血を分けた形のシュヴァリエたちがいる。血は水よりも濃し。これまで劇中で語られてきた“心のつながりとしての家族の絆”命題をゆるやかに揺り戻す効果のある回だったような気がする。カイの精神にも、きっちり焼きが入ったことだろうし。次回からはさらに強くなってるはず。

ふさぎこむ小夜に、孤独と闘ってきた先達であるハジが街をさまよってみることをそれとなく勧めるという筋だっただけに、今回の見どころはパリの様々なロケーション。路地裏からみるエッフェル塔という構図も印象的だったし、引き寄せられて思わずハジに抱きつく小夜の背後を乗用車が通っていくというレイアウトもまるでトレンディドラマを意識しているようで興味深い。

あ、カール復活おめでたう。あいかわらず単細胞思考そうだな〜
posted by 三和土 at 07:37| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

エルゴプラクシー#9「輝きの破片」

一番驚いたのは、先週放映分に付いてた予告がちゃんと予告だったことですよ。100数えたからビンス置いてっちゃうもんね! 人見知りに目覚めたピノにツンデレフラグが立ちました。次に驚いたのはカズキスのキャストが井上和彦だったこと。なんかもう人外の役しか受けてないのかと思ってたし…(いや、でも今回だって、

ビンス、裸足の金髪男に迫られるの巻。もしかしたら本人は今回が一番せっぱつまって恐かったかもしれぬね(恒例ちょっとだけサービスシーンはさしずめビンスの手の甲にキスしようとするカズキスか?!と思ったがそれは腐女子脳の早計で、ふつうに考えればおそらく一瞬だけ回想シーン的に描写されたた女性-彼女が先週のプラクシーの素体みたい-のひるがえる肢体だな)。そいでもって、明かされるプラクシーのひみつの一端。プラクシーたちには変身後も自我や思考能力があるらしい。かつての記憶を失っているビンスがイレギュラーなのだと。

結果的に、自分の存在への疑問にいくばくかの回答を得たビンス、ピノ(リルは二回連続で出てこない上に生死不明だし、ヒロインはもう…)との絆も深まって、ふたたび目指すはモスコ・ドーム。故郷(と思っている場所に過ぎないのかも)への帰還に少なくとも具体的な目標が見出せたことには、ちょっと見ていてホッとしたのでありました。

さて、来週は確かGWお休み?
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2006年04月29日

(2006春:新)ツバサ・クロニクル

おおなんということだ… 『真下耕一』クレジットがどこにも、欠片もありませぬ… 独特な間合いが消えて、すっかり凡庸な雰囲気になってしまった印象。おら切るわ。OP(ビィートレインの動画はすっかりもっさりさが消えたのう)とEDはチェックできたし。

あ、でも半年ブランクを経た後の再開で、いきなりシーン間の時系列をすこしいじくってくる工夫はちょっと面白かったです。あとレース参加者のそれぞれの衣装が、70年代タツノコアニメ(「マッハGoGo!」?)調でかわいかった。サキュラ姫は、ミニのワンピ着てオーモーレツ!ポーズとかするといいよ。サービスというかテコ入れに。
posted by 三和土 at 21:27| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

妖怪人間ベム#4「呪われた翼」

ショタ分補填きたー。作画も(同一作品比)きれいめで二倍美味しいうほっほ。新キャラ・美月くんは親にも丁寧語で話し、名前にさん付けで呼ぶ独特のコミュニケーション観で生きている子。そんな子だし、一緒に暮らしてるお母さんもリベラルな感じで今度はトモダチいけそうかなーと思ったら…やっぱり甘くなかったね。まあいつか受け入れてくれることでしょう、たぶん。

妖鳥ハーピー(一本足デザインだったのは伝承に忠実なような気がする)にキマイラ要素と現代ペット事情の命題とを加味して、目新しさを出しているあたりは練られている。動画やコンテなんかもこれはこれでわりかしクオリティが安定してる方な気もしてきたし。
posted by 三和土 at 04:44| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ゼーガペイン#4「上海サーバー」

思い出サーバー守れなくてメイメイ姉妹かわいそう…というしんみり共感をふっとばすルーシェンのプリケツ。ぱくろみ少年キャラの恐ろしさの片鱗を味わったぜ… でも力いっぱい殴りすぎ。歯折れてそうな勢いだったぞ。

予告のメイウーのアップではのっぺりした風に見えた今回の作画ですが、それはむしろジブリ風味に動かす方向にほどよく特化された感じだったみたい。個人的には今まででベストの作画回でした。メカの動きがパキパキして気持ち良かったし。

あと、演出や絵コンテの傾向とレベルが一定しているのもよろしいです。依然、高値安定。おもしろい。

キョウが戸惑う気持ち、分かるような気がするんですよ。私も虚構媒体に耽溺しているクチだから、もしかしたら身近な存在の死去すらも、データの消滅として心の中で片付けられるようになるかもしれない。そんな恐れすら、時々本当に感じています。なんていうんですかね、究極的な合理思考への誘惑というのは、人間の根源的な場所に存在するのかもしれない。
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2006年04月28日

(2006春:新)xxxHOLIC

わすれてたけど、おいらくらむぷの現代ものは苦手だつた。そしてコメディ要素が強いとなるとなおさらだ。わたぬききゅんのバタバタしたツッコミリアクションがきっついです。

で、思ってたよりヒネリのないストーリー展開が基本みたいだ。これなら流し見でフォローできるかもしれない。独立カテゴリー化は控えておこう。

黒モコナ(EDの小動物ぶりかわいい)は、こちらにいる方か! ツバサクロニクル第一期でいつ出てくるのかなーと待ってたものですよ。

曲はEDの方が好きです。映像はもちろんOPの方が見応えあるけど。マルとモロえろーい。
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2006年04月27日

(2006春:新)TOKKO

アクションアニメなのにタック制作と聞いたときから、デッサン崩れ原画とカクカク動画は予想の範囲内だばっちこーい。「ギルガメッシュ」にハマってた好事家なめんな。

といいますか、初回はうっかりして見逃しました。よって第2話を視聴しての感想となりますが、たぶん第1話にしても作画はまったく良くなかったと思いますよ。だってEDの一枚絵ですらデッサン崩れてるもん…

お話の方は、謎の寄生生物によりじわじわとバイオレンスに浸食されつつある大都会にて、特殊組織内にて再会した若い男女がうんぬんかんぬん、という青年マンガ誌においてはひと昔前にあふれていた基本設定ですから、きっと時々見逃しても設定理解に支障ないと思うし、極端にいえば最終話だけみて(そして予想範囲内のオチだったと確認するの)も全然OKだと思う。けなしてるわけでなくて、そういう間口の広い企画だってあってもいいと言いたいのです。

しかし笑ったのは、わざわざR15の指定が出ているというのに、作画の基本レベルが低すぎてまったくグロくないということと、主人公が学校卒業してるのに軽ヤンキー口調でしゃべる-というか世界観的に警察はヤンキー上がりのすくつらしいですわよおくさん-という藤沢とおるクオリティ。

よっしゃ、水曜夜のアニメラッシュ(えーとね、しばわんこ→NANA→RAY→TOKKO→牙の録画 の順で見てる)に加えることにけっていー
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RAY#2「パートナー」

いつのまにレイはケンジ少年と打ち解けた上に彼の読心能力(なんでもありだな。超絶医療技術ものじゃなくて、単に異能力ものアニメなのかも)を見抜いたのでしょうか。もしかして私は一話分見逃してますか?

さて今回から付いたOPが思いがけずよかった。ラストの素子@攻殻ダイブが、ちょっとひねり入れて仰向けなとことか工夫してるじゃん。といいますか、今回はコンテや脚本、作画もそれなりに堅実な出来でした。生体移植に踏み切ったと見せかけて〜ぎりぎりで回避しました! という筋はB級スリルに満ちてて肩の凝らない娯楽性を感じました。でも、試作品から一晩でチューンナップした人工臓器を未成年の患者に取り付けたRAYや篠山技師の心臓には毛が生えてると思うよ… あの病院の患者はきっとすべからく特殊な念書にサインさせられるんだろな。

でもまあ、破天荒さを主人公だけでなくサブキャラにも分担させているあたりは世界観構築にきちんとプラスに働いていると思う。このままいけばそれなりに良作になるのかも。
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牙#4/しばわんこ(正座編)/NANA#4

牙:キッズアニメウォッチャーとして有名な『帝国大劇場別館』さんのこちらのエントリを拝読したのですが、どうもこのアニメは“玩具販売促進アニメ”というよりかは“玩具とのタイアップも予定されてますよアニメ”という感じで、つまりスポンサーの締め付けが通常のホビーアニメよりかは厳しくなさそうな感じですね。普通にファンタジー異能力アニメとして見ればいいっぽい。独立カテゴリーにしといても良かったなーと思いつつ。

さて、今回はデュマス先生がパトラッシュのごとくでかい荷車を引いて、寝静まった街に出て家々の扉の前に花の鉢植えを配っているというシュールなお詫び行為を目のあたりにして少し開眼できたように思いました。も う こ の 強 引 脚 本 ぶ り が こ の ア ニ メ の デ フ ォ な の だ な 。 段々慣れてきたぞう。急に出た怪盗騒ぎの件もつまりはあれでしょ、ロベスの嫌がらせからデュマスを救うゼッド、という前振り。ゼッドはそうやって人の役に立つことを学ぶんだよ。罪にならない程度の恐喝の術(嫌われ者にとっての必須事項)も覚えられるし! あと、めがねきゅんがもう異世界に飛ばされてるという描写はしょりぶりも凄かったなー… しかしなんだかんだいっても、作画がいまだほとんど崩れていないのは特筆ものですよね。特に今期みたいにどこもそこもアニメスタジオは過重スケジュールらしき時にねえ。

しばわんこ:お座敷での振る舞いに関する作法。柴犬キャラをモデルに正座から見苦しくなく立ち上がる手順をアニメで説明する力技ぶりに爆笑。犬の膝関節でどうやって。いますごいモーフィングをみた 気がする。

NANA:前半:奈々編/後半:ナナ編。セックス描写の嵐に泣きそうです。10代で童貞・処女を捨てられなければ話にならない、そんな世の中ぽいずん。だれか有害番組タレコミ箱に投書してー!! あ、でも今回はコンテや作画(作監は門之園恵美氏)がとても良かったです。特に雪が降る(EDで魚座の星座図が出るけど、奈々とナナは魚座生まれなんだろうか)描写がリアルかつ美しかった。
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2006年04月26日

銀魂#3/スパイダー#3/妖逆門#4

銀魂:初回と違って原作通りの筋(『チャトラン星の大使』ってとこで再び吹いてしまった)だったためか、雰囲気が私の知ってる「銀魂」にかなり近くなって(急にちょっとこっぱずかしい人情説教モードに入るところ含めて(笑))いた。うん、これなら面白い。声優陣もおしなべて健闘している(演技指導の良さもあるんでしょね)けど、ゲストキャラの長島雄一氏のおまわりさんが短い出番ながら一番光ってたかも。あ、でも悪徳社長(あれだれがモデルなんだっけか。ゲイツさんでいいの?)も捨てがたい。ゴリラ星人のもさっとした声はやっぱり空知氏だったみたいですね。

蜘蛛:コロナに案内されてハンター(なんだろ、このファーストネーム。現実にありえるの?)が王宮に。味方側新キャラが三人一挙に出たこともあって、これまでで一番おもしろく見られました。作画がまた良かったなあ。なお、ストーリー的にはチームに入るための手合わせという非常にありがちなシノプシス。ただそれが、やけに気合いの抜けた王子と王女のキャラのおかげで救われてた感じ。スパイダーたちが複数出てきてそれぞれの個性が浮かびあがってきた事も大きい。蜘蛛と一緒に戦う主人公たちって設定の面白みがようやく出てきた。

妖逆:激すると九州地方の方言が出てくる巫女少女の登場回。いきなり「せからしかぁ!」と叫ばれてぽかーんとしなかった三志郎は大物。こちらも世界観というか戦う意味が具体的に説明されていて、今までよりも面白かった。つまり、妖怪と人間が共存していた(とされていた)時代への回帰というテーマ性があるということか。うん、やっぱりすっごく藤田和日郎チック。しかし今週作画けっこうやばかったなあ。特にフエが。どこのチンピラですかって感じだった(笑)
posted by 三和土 at 20:43| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月24日

(2006春:新)夢使い

植芝理一氏の作風(特にやたら湿度高いキスシーンが苦手だったなあ)をだいぶ灰汁抜きしてあり、思ってたより見やすい仕上がり。やまざきかずお氏の演出ぶり(レトロ看板がかけられた街並-ほら、異次元銭湯に行く回とかでああいうのあったんでない?-からの連想か「うる星やつら」アニメ版思い出したなあ)は、同期番組の中でも安定感抜群だと思いました。でもその分、新鮮味に欠けて地味にも感じるのだけど。それでも、深夜アニメの中でこういうマス視聴者層を多少なりとも意識している番組はいまや貴重だと思う。難をいえばOPとEDの曲があんまり…(笑)

しかし、強引な解決を図らずあくまでセラピー(夢判断が欠かせない彼女らはフロイト大先生の弟子筋といっても間違いでなさそうですな)に停めて去るという基本スタイルをいかに飽きさせずにシリーズ構成を組み立てていくか。その点が見ものかな。

posted by 三和土 at 17:51| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

(2006春:新)ガラスの艦隊

ロココ調SFというジャンル新奇性はいいものの、そもそもメイド服がミニ丈(格闘家属性だから動きにくいのはまずいという考えもあっただろうけど)といった半端ぶりからしてどこか腰が引けてる印象が。

あと初回ながら、コンテがパッとしない。負け側だった艦隊の指揮官に背後の壁が倒れてくるシーンや、変装していたミシェルが正体を現すカットなどはアップを入れてめりはりを付けるべきだったと思う。なにか、ほとんどロングショットばかりで繋がれていた印象があるんだけど。…もしかして上がりが間に合わなかったカットとかあったりして?

ところで、これは放映前から言っておくべきだったとは思うけどクレオって不動GENにしか見えないよね(笑) アクエリオンとの隠れクロスオーバーを狙った出オチ企画みたいな気がしてしょうがない〜

にしても企画がGONZOで、制作が他スタジオとの合同という作品が段々多くなってきているような。つまり、ストーリー面での担当はGONZOということでこの場合いいのかな。
posted by 三和土 at 17:36| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

BLOOD+#28「限りあるもの」

シフたちが特にイレーヌのソーン状態の進行に動揺しているのは、感覚の鋭敏さで索敵に秀でている彼女の能力を頼みにしているという事だけではなさそう。そう思えるのも、イレーヌが可憐で繊細な少女として描けているからですね。

真央&岡村組の追い付き/カイと小夜のメンタル上の諍い/シフの強襲 と三つのラインを交差させつつ、リク(服をシックなものに着替えたり、ハジと前より打ち解けた感じで屋根の上で-お前らは猫か(笑)-語り合ったりと堅実にシュヴァリエっぽさが増してる)のDNAに現れた「第五の塩基」という伏線も張られたりして満足できる密度は今回も維持されていますね。特に“(小夜やリクが変わっていく分)自分だけは以前と変わらないでいる”と宣言したすぐ後に、拳銃に薬莢を詰め込むことで真央に強い印象を与えてしまうカイの描写が良かったです。

今回はGAINAXがグロス参加という情報を目にしていたので、ふだんとの違いに注目してみたのですが、まずフォルム取りがやわらかめ(IG作品の基本はもっと骨格を意識した感じ)。そしてアクションシーンが軽やかな感じ(IGはそれに比べると重力感があると思う。どちらが優れているという話とは関係なく、あえて言えばやはりガイナの方がオタク嗜好により素直だと思う)。

…しかし次回予告、ハジがナレ担当するともれなくキモイ。すてき。
posted by 三和土 at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

妖怪人間ベム#3「満月の牙」

人狼ことライカンスロープをベラはまるで前から知っているかのような口振りだったけど、あの失恋トラウマ男はつまり妖怪界の有名人だということなんだろうか。それにしてもあの街はおそろしい治安状態だな。犯人像がみえない猟奇殺人が多すぎるだろ。雲英の両親は娘の交友関係に気をもむ前に早急に引っ越すべき(笑)

今回から登場した空(いや「宙」だったかも)は年上の異性、もっと具体的にいえば年増好みという渋い嗜好の持ち主な小学生。一見ガキ大将的なルックスながら、意外に繊細な気質のキャラだったので見ていてホッとした。このアニメには名前の付いたキャラには根っからの嫌な奴がいない感じがする。そうでもしておかないと、あまりにもベムたち三人がやるせないしね…

さて、ベラの回想内に彼らが文字通り石持て追われる姿が描かれていたけど、住民がそうしたのも無理はないと肌で感じてしまうほど、彼らの本来の姿は醜くおぞましいデザインになっている。このストレートな気持ち悪さは、たぶん現代の感性では作り出せないんじゃないかとすら思える。そうしてこそ伝わってくるのが、ベムたちが社会に馴染み込みたいと人間的に切望する気持ちへの共感と、受け入れる一般市民側の論理や倫理を越えた嫌悪感との葛藤という命題。古くて新しいテーマだとしみじみ感じた。

ところでしつこいけど、ED曲いいですわ。あんなたゆたうような歌いぶりは吉田美奈子以外ではちょっと聴けない。ノスタルジックモダンな映像と合わせて、本編で切なくなった心が癒されるー
posted by 三和土 at 12:03| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月23日

エルゴプラクシー#8「光線」

今回は特に“一寸先の展開が読めない度”抜群。なになになにが起こってるのー?! 目からビーーームかよー!!! あー興奮した。WOWOWでかした。たとえこれだけのために毎月2500円払ってるとしても惜しくない。

『ひとりきり』になったビンスはようやくピノを一個の人格として扱いはじめる。親子でもなく友人ともまた違う、微妙な距離感の接し方に萌え萌え。というかもうビンスは何をやっても萌え萌えだ。やつれても萌え。「体で支払ってもらう」言われて萌え(指揮官たちより小柄なのがそそる…ッ)。後ろ手に拘束されて萌え。決めた。おまえが今期の萌えキングだ。略してモエキン。

 …ハッ 私の中のプラクシーがあやうく目覚めるところでした。危ない危ない。

オートレイヴと戦いあっていたあの人間たち(彼らもまたドームからはじかれた空虚人のなれの果てか)が何を思っていたかとかは、さほど重要ではないのかもしれないと思った。今回のエピソードのポイントとなったのは、おそらくプラクシーと呼ばれる存在の正体が断片的に見えてきた点。まさしく「光線」が当てられたがごとく。

 ・プラクシーは人間が素体となるらしい(ビンスプラクシー<エルゴプラクシーというのは一般名詞に思えるんだけど、これが個体への名称とよめる公式サイトの説明文は合っているのだろうか>に押さえ込まれた一つ目プラクシーのマスクに下には女の顔があった)
 ・プラクシーは死の概念が抑圧されている場所に発現する?(あの指揮官たちが戦っていた理由、それは死への恐怖を麻痺させるためのようにしか思えないのです)

ところでどこかで読んだけど、スタッフ談話にて“サービスシーンが毎回必ず入っている”と明かされていたらしい。今回の場合はさしずめ、一つ目プラクシーのスレンダーかつヌーディーなボディラインが当たるのかな。…まあいずれにせよ、素直なエロスを見せてこないあたりになんともいえない底意地の悪さが感じられる(笑)
posted by 三和土 at 03:59| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月22日

ゼーガペイン#3「デフテラ領域」

色々と作品構造上における仕掛けが示された回だけど、なかでも気になるのは“町中の河川(一級か二級と思われる)で平気で泳いでいる主人公”というシーン。…汚染がすすんでいる地域と技術によってその問題が取り払われている地域との落差が大きい時代という描写だろうか。…あるいは、単にストーリー展開上の都合かですね(笑) ゼーガペイン搭乗シークェンスへは水場が入り口になってるみたいだし。

キョウの親もリョーコの親も声のみでの登場というのは、サーバーにそれだけの“設定”しか存在していないということだろうか。演出上の措置で大人の姿が描かれない(PEANUTSなんかそうですね)ことはあるけど、“そういうこと”になってるから出ませんよ、という設定はアニメではめずらしいかも。

シズノの愁いのこもった台詞から察するに、世界はもはやかつてあった時空観念から逸脱しており、未来は存在せず時間は円環状にめぐるばかり? 今日の次にくるのは今日、なのだろうか。だとすると切ない世界だなあ。キョウは、絶対的な虚無感に襲われる気の毒な主人公ということになるだろうし。

次回予告ナレーションはルーシェンが担当。中華系トリオの出自も少し分かりそうな内容みたいね。
posted by 三和土 at 22:08| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

(2006春:新).hack//Roots

思い起こせば、.hackシリーズって“どういった問題が/ネットゲームのシステム面のどのあたりで起こって/それが現実社会全体にどう干渉してくるのか”どうにもよく分からないものばかりだった気がする。一種の“雰囲気アニメ”というかー “ダイアローグ至上主義もの”というかー。ま、そういった企画に真下監督をもってくるプロデュースぶりはまったくドンピシャだと思うんで、これはこれでアリだとは思うけど。…いやもしかして話は逆で、マシモンをあてたからこそ.hackアニメ版は…

しかし相変わらず殺伐としたネトゲーワールド。キャラの絵柄があっさり淡白系なだけにプレイヤーたちの性格の悪さが際立ちますね。そして初心者としていいように嬲られるハセヲ(『指輪物語』?)主人公。向こうっ気の強そうなルックスと比してのヘタレぶりはなかなか印象に残りましたよぅ。

ところでまた真下監督がEAT-MANをアニメ化するとしたら、今度はボルト役を東地宏樹氏にしてもOKなんじゃないかと、オーヴァンを眺めながらふと思いました。

OPとEDについては「SIGN」の時ほどのインパクトはなかったです。ただ、OPののけぞりハセヲに関してだけは真下監督がコンテ切ってるよね、多分(笑) 一体どういう発想からああいう絵面思い浮かぶのかなー かっこいいー (訂正追記:OPスタッフクレジットに真下監督の名前はありませんでした。本編絵コンテが連名だったので勘違いしておりました。)
posted by 三和土 at 01:55| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

(2006春:新)ウィッチブレイド

雅音のぼんきゅっどーんバディ(子持ちらしいカジュアル服がむしろ引き立てている。渋い趣向〜)が個人的な懸念事項でしたが、小林靖子氏の生活感あふれるシナリオや、作画傾向の堅実さ(顔のパーツから生まれるくぼみの影の付け方とか好みでした)などのおかげで気にならなかった。よかったよかった。ウィッチブレイドにはあのモンゴロイド離れした豊満さが見込まれたにちがいないよ。あと天然エアバッグが付いていたのでフロントガラスが粉々の自損事故でも無傷でした。すげー。やはり巨乳は正義なのか…

ところでこのアニメって、おそらく“母性愛ものと見せかけつつ、実は母性愛神話に懐疑を投げかける”流れになっていくと予想される。

ともあれ、期待通りの感触な初回でした。このまま、ぐんぐん小林節で行ってほしいです。

ED曲は手掛けている人が月詠EDと同じ人なんですね。どうりで雰囲気が似てる。
posted by 三和土 at 01:34| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月21日

「ガラスの仮面」最終話まで見ました

直前にシリーズ構成担当でありメインライターであった佐伯俊道氏がにっかつポルノ作品の脚本を多く手掛けていたという検索結果を見ていたせいなのか、最後から2話めでのマヤと亜弓の取っ組み合いがキャットファイトという呼び名のサービス描写に見えて仕方なかった(笑) 月影千草渾身の最終舞台の劇中劇趣向と並び、面白い脚色でした。

ラストカットで、それぞれの車窓から遠くの空を眺めているマヤと亜弓の表情が鮮やかに印象に残った。エキセントリックさがくるりと一周して普通の女性そのものな屈託なく肩の力が抜けたふたり。芸の極みの秘訣は人生そのものの中にこそあり、という着陸点をみた感触といいますか、アニメキャラから実写ドラマの登場人物へと写実面においてステップアップしたかのようにも感じられるヒロイン二人の姿、なかなか感慨深いものであったと思います。ED曲がまた上手くマッチしてたなあ。

最近は「なぜをこれを今?」と当初は感じてしまう原作ものアニメの中でも、ざらに意欲作が見られるようになってきた気がしたりもしてますよ。
posted by 三和土 at 00:40| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月20日

せんせー、何と何を独立カテゴリーにしたらいいかわかりませーん

そもそもまだ改編期終わってないし…実質一か月半ある感じ?(5/18からの神様家族とデモンベインが最終組)

えーと、現時点での各話感想意欲度(自力視聴可能番組のみ)の強弱は以下の通りです。

 ゼーガペイン>ベム>チャングム>RAY>牙>NANA>妖逆門>スパイダー

でも牙から下4つは独立カテゴリー作る自信がいまひとつないんです。毎週言いたいことがちゃんとあるのか分からない… 個人的興味のポイントからほんの少しズレているからなんでしょうね。(私は以前からキッズものは弱いし)

つまり、とりあえずまとめ読み用カテゴリーは新たに4つ作っておこうと。他は気が向けばエントリするという形が無難かなー というわけで、閲覧者の皆さんには多少の不整理さをお見せする形になりそうですが、どうぞよしなに。
posted by 三和土 at 23:12| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする