2006年05月22日

蟲師#22「沖つ宮」

南の離島が舞台。娘が母を“生み直”し、その子供がふたたび母を。絶対的な離別が擬似的な再会という形で癒されつづける。そんな楽土のお話。

潮騒の微妙な遠近感や海中に引き込まれたギンコのモノローグの耳の中にこもった音質といったサウンドコントロールも見事で、しかし何より美しかったのがさまざまな空の色(あの夕暮れの澄んだ桃色の雲間…!!)を映す凪の波面。海の様相とは、空からの反射と切って離せないものなのだと再認識させられるリアルさでした。

生物進化的には、処女懐胎(いさなを産んだ澪は既婚者だから正確には語義が違うが)に近い“生み直し”が当たり前に行われるあの島は袋小路状態で、ギンコが逡巡しかかったようにいずれはあまり良くない事になりそうな予感も。しかしそれでも、村人たちの取り戻した家族と暮らす安寧な表情には私も羨ましさを覚えます。

…でも今回の発想モチーフとなってるであろうクローン技術に関してはなんの感慨も持ってないけどね。遺伝子が同じであろうと別の存在としか感じないと思う。つまりは、たとえ欺瞞であろうと蟲の介入を天のたまさかの恩恵として受け入れる島のあり方自体に魅了されている感じかな。
posted by 三和土 at 03:59| Comment(0) | TrackBack(1) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

IGPX#20「復活」

芝美奈子氏の美麗作監(瞳がキラキラしてる!)による、非常に効果的なエイミー強化回でした。みんなかわいかった。でも特にかわいかったのはリバーたん。「ヤマーさん…」っていうかスレッジママってヤマーのワンマン指揮型っぽいけど、あの人抜けたらガッタガタになるだけじゃないのかな。リバーは周囲に気を使えるいい子(チーム・サトミでは明らかに理不尽な扱い受けてたと思う)なだけに、苦労性っぽくて見ていてかわいそう。 だ が そ こ が い い !

なんかやたら気力が戻って精神が安定したタケシ -ファンティーヌとの釣り合わない間柄がよっぽど負担だったのかもなあ- や完全復帰を狙うエイミーのチーム・サトミ、対するは後がない状態に置かれたスレッジ・ママ…という構図が端的に示された好エピソードでした。しかしあれですね、主治医まで「怪我するな。そして絶対勝つんだよ」とか言い出すあたり、アメリカン仕様だなあと感じました。ふつう止めるだろ(笑)
posted by 三和土 at 03:26| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする