2006年11月22日

ケモノヅメ再見とWOWOW関連雑記

休日でヒマだったもんで「ケモノヅメ」録画テープを視直してたんだけど、初見ではキャラ作画しか観る余裕がなかったのに比べて、今回は背景の方にも自然と目が行きました。昭和映画を意識した趣きのある手描き美術もすごく見応えあるんだけど、実写画像を加工した部分も異化作用が感じられて面白い。“ふつう”な配色の画面の方が少ない色彩設計も合わせて、つくづくこの作品は何度も味わえるポテンシャルがある、いや必ず複数回観るべきだと思わされました。ほんと、いまだにビデオグラム商品の発売が決定していないというのが信じられないですよ。関連イベントとかはコンスタントに行われているみたいだけど。近日中ではこちらとか。

あ、内容に話を戻すけど、第2話の段階で十蔵が息子の俊彦に「大切なのは“真実”ではない」と教えを垂れているのには感心しました。こういった父から受け継いだ信念を持っていたからこそ『現実』を振りかざす大葉に俊彦は勝てたわけで。あと第3話の逃避行開始編を最初に視た時は演出意図が分かりづらかったけど、シリーズ通した後では、この頃の気持ちのすれ違いの兆しが見え始めるぐらいが二人の正念場だった事が感じとれて一見もやもやとした印象の奥にあるものが自然と伝わってきます。それと、塩湖エピソードで印象強かった青空が水たまりに映る描写は、第2話の飛行場デートにもあったことを再発見。空というアイテムはどうも主人公二人にとって希求する自由の象徴だったみたい。いや、とにかくスルメみたいな作品ですよ。絵柄のエキセントリックさと比して、作劇自体は昨今のアニメにめずらしいほどに王道な造りだと思います。

さてそんな「ケモノヅメ」、WOWOWアニメコンテンツにはめずらしく一挙再放送が一切ないんですよね(やはりビデオグラム発売未決定がネックなのか)。ただ、公式サイトのトップページには『再放送については決まり次第このサイトでお知らせします』と記述されているから、予定自体はあると思うんですけど。…同期だった「シュヴァリエ」の方も来月初旬に頭から再放送されることが決まって追い付くことが可能なこともあるし、ここが考え時だと思いますよ〜 >WOWOW未契約の方々

プロダクションI・Gの新作「ライディーン」も、デジタルWOWOWで「勇者ライディーン」が放送される文脈から「シュヴァリエ」の後番組ではないかと噂されているし、いやはや月々(約)2,500円という高さから実は私は常に解約の時期を測っているのですが、この分ではなかなか… あ、そういえば来月からCSでもWOWOW契約が可能になるので便利になるといえばなるかも。画質的にはCSの方はやや劣りそうな印象もあるけど。
 
(おまけ):前々期のスクランブル枠であった「強殖装甲ガイバー」の北米向け公式サイトがオープンしていたことを国内ファンサイト経由で発見。常々思うんだけど、同じFLASH系にしてもあちらの作りの方がストレスなく見られるなあ。トレイラーなんてページに飛んですぐに始まったりするし。で、ようやく北米でソフト販売が始まるみたいなんですけど、あちらのメインキャッチコピーは『The new face of ULTRAVIOLENCE』で、ドラマ性をやや強調していたこっちとは微妙に差異があるのが面白い。トレイラーもクリーチャーアクションとしてのスピード感が出るようにうまく編集されていて、本編みた人がかえって「なんかもっさりしとるー」と戸惑わないか心配な今日この頃です。
posted by 三和土 at 16:43| Comment(5) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

妖逆門#34/D.Gray#7

「きみどりのこころ…」:正人はどうも『団塊の世代』生まれらしいね。現実での彼はおそらくずっと病床に着いたまま意識がない状態なのだろうなあ。大木から落ちた黒いしずくがずっとげぇむの世界にいたいという逃避心理を気付かせたという描写は、大木に精神操作を受けたとも、あるいは自分自身の真意に気付いただけともどちらとも取れる。それはきみどりがアヤカシたちに複雑な気持ちを抱いていた点も同様で、彼女が本当にアヤカシたちの存在を疎ましくうらめしく思っていたかどうかは、とても分かりづらい。あえて言えば、それは彼女を観るものの心が反映されるということなのかも。ひとりぼっちがつらかったきみどりにとって、ずっと一緒にいてくれる正人(ジゴロ属性まで付いたなw)の甘言をひるがえしてくれる可能性があるのは自分より他人の事を思いやれる三志郎ただ一人なわけで。一般的な状況心理にきちんとフィードバックできる、やはり安心して楽しめる造りの作品ですわ。H×Hでもあったっけな、自分を信じてくれるただ一人さえいれば。ところで今週は機敏な判断で鬼仮面の攻撃から皆を守った清がかっこよかったですな。強くなったなあ。それにくらべて修たん…

「記憶の墓標」:レントンで鍛えただけあって、三瓶由布子さんの叫び泣き演技はすばらしいですなあ。いやしかし、この作品の設定は非常につらいと再確認させられた回でした。千年伯爵はAKUMAを製造することで、魂を囚われる者とそれを呼び出して皮を奪われる者と双方の魂を同時に愚弄するわけですよ。えげつねえー その酷さを真正面から受け止めるわれらがヒーロー・アレンたんというわけで、けっこう熱い出来となっておりました。『AKUMAは哀しすぎる…』名セリフキター そしてリナリーのダークブーツもキター 着地の時の重量感と、跳躍の軽やかさとのギャップがアニメ向きですよね。堪能いたしました。
posted by 三和土 at 00:51| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする