2006年12月29日

妖奇士#12「駁竜、月に吠える」

老中の前で平伏しながらも唐突発言する往壓。まるで教室にいるADHD児のようだ。ふつうに変人だよな、やっぱ… 別にそれはそれでいいんだけど「異界にたとえ行ってなくても家督継げてなさそう」と思わせられるあたりがこのアニメの微妙なところ(笑) 夢見て得意げに吹いてんじゃねぇーとえらい勢いでぶち上げてた本庄の方になぜか快哉上げたくなるんだよなあ。

しかし今回BL的間合いというか匂う掛け合いが多かったね。竹田PDはすっかり味占めちゃって、もう腐女子向けフックを仕掛ける強迫観念から抜け出せないんだろうなと改めて思った。前番組の時もそうだったけど、あまりにもあからさまでツボにはまるかどうかは別次元で違和感持ってしまうわ。というか往壓が雲七に謝ったのってつまり「これまでお前を一人にしてごめんな」って意味にしか聞こえんし(なんかとことん感性がズレてるというか自己中心的な発想する主人公だよなとも思ったというのもあるけど)。

はい小言おわりー ほんとは宰蔵のギャグ顔のすごい浮きっぷりにも言及したかったけどおわりー

今回は、全体的にシナリオの不自然さが演出面でよくフォローされていたと思います。場面毎のインパクトだけでも楽しめた。馬円盤が飛ぶシーンのシュールだったこと… 加納の死に顔のくどさは、まあこの枠の持ち味みたいなもんだから納得するしかないかなって感じでしたが。

しかしもしかして日光道中編って今回で終わりなの? 途中で帰ってきちゃうのか?
posted by 三和土 at 21:27| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月27日

久しぶりに「牙」視た(感想未満)

ヒューやらダイアナやら絶対規律黙示録の王様とかが一斉処分セールされる回だと他所様の感想で知ることができたので。あと居間にだれもいなかったし。

レビューを途中退場した身なのでいまさら言いたいことはないんだけど、ヒューのマスクがなくなってて、鮫っ歯だったのはインパクトありました。振る舞いも前より小物っぽくアヒャり気味だったし。で、死ぬ間際に前髪パラリでちょっと美形顔に戻ってた。でも、奴の髪型であんな前髪長いのはおかしいとおもうんだ。とっぴんぱらりのぷう。そういうとこはあいかわらす牙クオリティ。

にしても名前の付いてるキャラクターがばんばん死んでいく中でロベスさまの能天気ぶりはやっぱむかつくわ〜 あやしのゆっきーにしろ、私は作品中でむやみに無体が許されてたりやたら幸運だったりするキャラがどうにもダメ。でもそんな自分の心の狭さもまたすごくイヤ(笑)

まあそんなこんなで「牙」の作画レベルはやはり高めだと再確認。(べつにそんなこんなじゃないまとめ) あ、あとアミルガウルたんがどうも全裸でなくなってて眼も開いてたりしてあんまりキモくなくなってた。シリーズ前半にあった異物感がどんどん消されていってるんだなー。もうロベスたまにいじめられた挙句、精神ねじ曲がったあのお方なんぞ黒歴史扱いで回想描写どころか名前も出ないんだろなー

posted by 三和土 at 19:48| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

銀魂#35/009-1#10

延長戦&栗子偽脱糞:マニアは喜ぶ珍構成、しかし一般視聴者には放送事故みたいな印象しか与えないのでは(笑) ところでこのあたりの話は原作の記憶があやしいのでオチを忘れており、エロメス顛末の新八の漢ぶりを新鮮な気持ちで堪能できました。坂口大助氏巧くなったなあと思った。遊園地デート妨害編の方はピンでの見せ場が意外に少ない土方の強化回の機能も果たしていたような。ネタ面では入場ゲートをすごい速さで通っていく沖田の動きが面白かった。

「逆爆発」:信管が抜かれていて爆発するはずのない核爆弾が暴発するというテロを発端とするミュータント絡みのエピソード。これまで描かれてきたモチーフやテーマをまとめあげるものになる予感。ミュータントに生まれた少年のやるせない心情の吐露が印象的だったけど、ミレーヌも超人的な身体能力を持たされているとはいえ彼らからみたら“普通の人”なんだなと思うとちょっと興味深い。ミレーヌもおそらく共感ではなく同情から彼らを置いて包囲された研究所から逃げるという選択をしなかったのだろうし。
posted by 三和土 at 08:09| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月25日

「攻殻機動隊 S.A.C. Solid State Society」

'06/監督:神山健治/制作:Production I.G

企画当初は劇場公開も視野に入れていたこともあってなのか、作画端正度や画面密度がTVシリーズ時よりも高めでした。特に冒頭での高層ビル上にいる素子からカメラが引いていくシーンにおける夜景の奥行き感が圧巻。


では以下『続きを読む』仕様で
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2006年12月24日

シュヴァリエ#17「メドメナムの地」

本年最後の放映回にふさわしく、適度な引きもあるキリのよいエピソードでした。

マクシミリアンの色んな表情が!! ダッシュウッドに精神攻撃掛けられて白目を剥いていたカットの唐突さにはちょっと笑っちゃったけど。演出がわりと淡々としているんで、見方によっては要となる描写カットへの惹き付けが弱いっちゃあ弱いんだよな。個人的にはそういう作品は好きですが。

マクシミリアンは世界国家をめざす革命教団にはすでに見切りを付けていることは分かったけど、その先がまだ分からない。もしかしたらリアの魂との合一を果たしたいだけか?とかメアリー=シャロットのデオンへの言葉から思ったけど、しかしそれだけでは理想家にして革命家たる彼のキャラクター性に矛盾が出る。…もしかしてみんなみんなひとつになっちゃえ? いやそれなんてエヴぁ(ry

それにしても今回はシリーズ上のターニングポイントだったかもしれませんね。マクシミリアンの視点主人公比重が格段に増えた。あとデオンがリア降臨以外のときも唇に色トレス処理が付くようになったのも結構重要かと。

・詩人の都メドメナムは川の中州にあるらしい。NYの自由の女神もたしかそういうところに立ってるんだよね。
・デュランに付けられた弁護士がめがねキャラだった。18世紀の眼鏡の金銭的価値っていかほどだったんだろう。彼は、かつらの下から地毛が見えていたのも印象的でした。彼をいらつかせていたデュランのしたためた二通目の手紙、これってまたもやフラグ小物かしら…
・マクシがカリオストロとロレンツィアの名前を呼んだのは初めてのような。それなりに仲間意識が芽生えていたんですね。ロレンツィアがマクシ援護にまわったのも、金銭譲渡にほだされたからともあるいはそれ以上の何かともどちらにも取れるのが渋いです。
・しかし精神攻撃イメージ上で衣服がはじけとぶ美少女ってすっごい久しぶりに見た絵面ですぞおい!!!
・今回も表情の含み(全体的に詩人サイドに力点が置かれていた)が豊かで見応えが。しかし残念なことに、終盤近くでデオンの髪がリア降臨でほどかれる前にすでにほどけていたカットが…

さてさて、死にそうに思われなかったキャラのまさかの敗北。彼の考えの読めなさは(様々なレベルにおける)保身をまったく念頭に置いてなかったからだと理解した。みるみる、あの無表情ぶりの薄皮が剥がれていくような感覚があって心地よいです。
posted by 三和土 at 03:06| Comment(2) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月20日

おしらせ:本家サイトのリンクページ閉鎖します

「NO/ON」開設当初はガンダムファンサイト系だったわけですが、かつてのトミノ信者ぶりもすっかり熱が引き(いや富野監督の演出力<えんしゅつぢから>には今も魅了されてはいますけど)、また更新アンテナの設置によりリンクページの重要性も(当サイトにおいては)薄れたこともあり、本年末を目処としてページ自体をサーバーから削除しようと決めました。いまも相互リンクが生きている方へのお知らせはまことに勝手ながら割愛させていただきます。すいません。
posted by 三和土 at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 閑話雑記/更新情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

コードギアス#7/009-1#9

「コーネリアを撃て」:第二皇女殿下はナチュラルボーンマキャベリスト。これは後継者争いの中でいい線いきそうですね。クロヴィス皇子が柔和なタッチで絵描いてたという以前の描写の意味をいまひとつ計りかねてたけど、冷徹なコーネリアとの比較の意味もあったのだなと思ったり。今回はこれまでで一番面白かったなあ。ところでC.C.ってカーボンコピーって意味じゃない?たしか世界初のクローン猫がそんな名前だったと思うんだけど。ギアスの力を誰かに与えられる存在のオリジナルが、どっかにいるのでは。とすると有力なのはOPで御簾の陰にいる黒髪の少女ですね。いやー、しかし確信犯的にあざとくベタな描写やっときながら、裏方ではこつこつと設定補強を重ねていく。けっこう渋いアニメだと思うです。でも、ゲットー住民や入植者らの暮らしがよく分からないのはちょっとだけ気になる。たとえば、シャーリーの回想で交通事故の当時者だった彼らはどっちなんだろう。人種描き分けのないタッチだからまじわかんえー

「復讐」:シリーズの例にもれず、同ジャンル既作踏襲なプロットだったわけですが、出来過ぎた兄を持った弟のほとんど負担にすら感じられていただろう恩義の情が執念に変わった過程がきちんと描かれていたのでけっこう見応えありました。神奈延年氏が『しがない自動車ディーラー』だという地味な設定のキャラやってたのも新鮮味感じた。
posted by 三和土 at 21:48| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

妖逆門#38/D.Gray#11

「亜紀の涙と雨上がり」:亜紀が相手ということでさばさばと対撃が進む中、要所に織り込まれた感傷的な演出がより引き立つ。亜紀は知力と努力を兼ね備えたぷれい屋とあって、今回は清やミックの時よりもさらに三志郎は苦戦した模様。別れを告げながらも湿っぽさを振り払うように踊るハルが消滅する(個魔は妖逆門開催時に復活する仕様なんだろね)シーンから、亜紀が自宅で気付く〆までの作画と演出のこまやかさは長く印象に残りそうな高いレベルのものでした。夕焼けの光線が、現実感をそそってましたね。

「ミランダ・ロットーの思い」:ミランダ(ドイツ人だと最近初めて知ったけど、たしかに目元の彫りが深くて眉がないように見えるあたりドイツ顔@伝染るんです)が起こしたイノセンス空間から外へ向けて風撃を加えるリナリーの蹴り技がダイナミックなアクションで小気味良かった。ああ、やっぱりフェミニンなルックスだからこそ映える能力なんだよなあ…(嘆息) アレン側のウェットさと対比させてのロードのドライさが、アレンから剥ぎ取った教団の制服を羽織ってから脱ぐまで(同じ「神に選ばれた者」から決定的に敵対する存在へのモード移行)という小物演出により強調されていたのが特に目を引いた回でした。
posted by 三和土 at 08:59| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月18日

「リーンの翼」(第1〜3巻)

'06/監督:富野由悠季/制作:サンライズ

先行ネット配信された完全オリジナル新作がDVD化されたものをレンタルにて視聴。とりあえず前半の三巻分まで。(余談ながらTVにつないだプレーヤーに掛けたら画面がジャミング状態。仕方なくノーパソで再生させたけど、視終えたあとえらく目が疲れましたわ)

見応えがあったのは 第2巻>第3巻>第1巻。 もうバイストンウェルの美しさが圧倒的でね… 初めてあの世界に「行ってみたい」と思いました。

以下、各巻の感想箇条書き。

第1巻:○ぎすぎすしたルックスのああまで凡庸な母さんキャラは富野アニメではめずらしい。っていうか全然エイサップと似てねー。
○お父さん、現代アメリカ軍の制服組でその斗貴子さんキズは違和感ありまくり。
○朗利が呼ばれる時「ローリー」って聞こえるね。そしておまえはちゃんと上着きなさい。テロ中にもあの羽織り方ってどこまで洒落者か。
○まるでくじらがクロスジャンプするかのようなオーラバトルシップ二艦同時登場シーンがすごいインパクト。
○そこで特攻展開は唐突が過ぎるよー!! わけわからん存在にめっさテンパッてたとか前振り描写ほしかった。
○そしてあふれてくるワカメーワカメー、あかんぼう、頭がキノコ老婆。笑た。

第2巻:○ジャコバ様の肢体だけが若いのはなにかのいやがらせですか?
○エ・フェラリオさんたちをもっとじっくり見たいハァハァ
○コドール後添えさまはスレンダー美女。そういえば本作に巨乳はいないな。カントクの反骨精神とみて良いでしょうか。
○サコミズ王のソラミミ笑た。シャア板の名無しさん表記は「ナナジン」がイイ
○バイストンウェルの密な空気を飛ぶオーラバトラーたちの有機っぷりが実にすてき。たっぷり見れて感動した。

第3巻:○ひげがMSっぽいマキャベルたん笑た。
○主人公が城に迎えられる展開はダンバインでもたしかあったよね。
○あれっ、リュクスはいつエイサップにリーンの翼の沓返してもらったっけ?前巻のラストを見逃したかしら。
○まあお約束として流せばいいんだけど、エイサップとリュクスが惹かれあってたというのも唐突な描写に思える。
○しかしコードギアスといい、今年のサンライズは戦後日本とアメリカの関係をモチーフにした作品が目立った印象。私は別に鼻にはつかないけどね。

全体的にエフェクトがすばらしいと思うし、オーラバトラーがここまで生物的に表現できるようになったアニメ技術の進歩には感じいりました。キャラクター的には、エイサップのキャラが主人公なのに弱いのがやや気になりますね。まだ朗利の方が(でも戦闘機動かせるのは無茶すぎないか)。サコミズ王は屈折ぶりがなかなか興味深いです。女性陣ではミ・フェラリオ(背中でなくて腰に翼があるのいいですね。翼といえばはばたきアニメーションもまた全体的にオリジナリティあってすばらしい)のエレボスがいい。

30分×6巻という尺の制限があるだけに、特に第1巻で顕著なようにやや展開が性急な印象があるのが少々気にはなりましたが、とにかくバイストンウェル周りの異世界感は一見の価値があります。シリーズ後半は、戦後感覚の克服というテーマ性の昇華に期待して観たいです。
posted by 三和土 at 19:25| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月17日

妖奇士#11「日光怪道」

ついに、量が多い割に内容の薄いダイアローグ部分を意識せずにスルーするスキルを身につけたよー。史実テロップはスルーする前に読みにくくて全然理解できない内にフェードアウトするんではなから無問題。

・本の虫なおがさーには親近感もった。しかしあの時代に貴重品だったであろう本を湯船にもちこむ描写はやりすぎかもー。でも横寝スタイルで同室者とは反対向いて寝床で読んでる姿は現実感あっていいね。
・むじなは現代の都市でもしばしば目撃例を聞く人気妖怪ですね。
・ソテ姐さんって人間を傷つけることをなんとも思ってもないんだな。遊兵への愛情の示しもあったし、異界の影響によりこの人もまた道を踏み外したっぽい感じ。
・謎の公家スタイル衆登場から本庄らとの立ち回りシーンはハッタリあって小気味いいコンテでした。ちなみに今回クレジットされてたのは「シュヴァリエ」にローテ参加されてるらしい福田道生氏。
・“前後に花”(いや馬七たんを入れると下も)な往壓の絵面には頭を抱えたくなった。やっぱりこいつにはいっぺんガツンときっついお灸をすえられないと納得いかへん… あとやたら他人の事情を詮索するキャラ付けもウザイよーウザイよー

次回は予告から察すると、キレの良い動きでシャープに整った作画っぽい。期待できそうですよ。
posted by 三和土 at 07:08| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

シュヴァリエ#16「魂の行方」

今回の作画は表情が柔らかめで好み。マクシミリアンがこれまでで一番人間らしく見えたし、メアリー=シャロット(この表記ってもしかして姉妹のそれぞれのファーストネームの並列なのか?)王妃も魅力的だった。今まで出てきた女性キャラの中では私は彼女が一番可愛らしいと思う。

味方に裏切りを疑われることを厭わないマクシミリアンの目指す先の読めなさ、肌に焼き印された機密局員の証を見つめながら尋問と内面の揺らぎに耐えるデュランの決意が根ざすもの、自分で選んだ運命を受け入れつつも救いを求めているかのような王妃の行く末、そして自分の魂を待つ先をついに知ったデオンの動揺。革命教団が国民議会を確立したイギリスをふたたび専制君主制に戻したり、ヨーロッパに戦役をもたらすことで何を目指している(まあたぶんヨーロッパ統一王国として支配したいんだろうけど)のかが主幹ミステリー部分ですが、キャラクター個々が抱える内側の問題の描き方それぞれの絡み合いがなめらかでテーマ的にも破綻してないんで安心して楽しめます。

・いちおうホワイトヘッド卿の死をリアの遠隔能力のせいと思わせた(サンドウィッチ伯は仁義に厚そうな漢キャラみたい)マクシミリアン。でもやっぱり(というか当然)疑われたし、本人も別に言い通すつもりはなかった模様。微妙になげやり感がいい味出てる。次回は教主さまからどんなお仕置きを受けるのか…ゴクリ

・ゲルシイは自分の中に残っていた騎士道の名残を惜しみつつもやはり状況の流れ(王夫妻がカルトどっぷりなイギリスヤバス)に身をまかせる。一足早い現代人、ってなキャラですね、この人。なんか気持ちすごく伝わるわー

・焼き印の印象のせいか、デュランは昔は荒れた若者だったような気がする。処刑レベルのことやらかして、それを免れるためにエージェントやらされる事になったとか、そういう感じを想像させられました。しかし隻腕、痛々しい。

・メアリー=シャロットの孤独もまたひしひしと。境遇が同じリアと語り合いたいという欲求は純にして切実なものだと感じられる演出でした。姉の魂の器となる決意をした妹は、国のためでもあり、またジョージ三世を慕っていたというのも本当なんでしょうね。しかし自我が分裂しながらも融解するという気持ちはいかほどの混乱なのだろう…

台詞で状況が流れる方向性を示す傾向はシリーズ通して色濃いのだけど、要点はいちおうまとめられてるので決定的にわからなくなるということはないですね。今回も、イギリスとフランスの間に戦争(やはり七年戦争前夜っぽいなあ)が起こりそうであり、イギリス議会制は転覆の危機にあるという二点さえつかんでおけばOKな気がする。

posted by 三和土 at 06:11| Comment(2) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月16日

NANA#35/チャングムの夢#25

わたしには歌しかないんだもの!!:いやいっぱい取り柄持ってると思うけど。顔とかスタイルとかルックスとかルックスとか。…でも気付けば、このアニメのメインキャラにぶさいくな人間などいないのだった。しかし奈々の妊娠発覚後の存在感のなさがちょっと残念。なんだかんだでハチタソのことを私も愛しちゃってたのかも。あと、蓮がかなりの空気キャラに思えるのは私だけ?

「料理大会」:何が驚いたって、次回が最終話なことに実にびっくりした。料理大会、二話で終わってしまうのか… 今回はやたら長い回想とか、意味もなく目立ち過ぎなチャン・スロなどテンポ悪い印象だったけど、後半の料理大会突入後はまずまず引き込まれました。
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2006年12月15日

コードギアス#6/銀魂#34

「奪われた仮面」:天パ眼鏡の子のスザクへの引きぶりが今の段階では真意が判断つきかねるだけに気になります。外側に出さないだけに根深い差別意識の持ち主なのか、あるいはなにかしらイレヴン絡みの嫌な記憶があるのか、それとも単にそれまでの雰囲気が乱れるのが嫌なだけの神経過敏な質なのか。いやー、しかし今回はことさらに巧みな構成に唸らされました。息抜き回と思わせつつ、ラストの皇帝の演説で一気に引き締める。20年前ならあんなあからさまな非平等主義は「はぁ?」って感じでネタ扱いして笑ってたけど、現在は心のどこかでうなずいてしまいそうな自分を意識してしまう。考えさせられる描写でした。なぜかシャーリーの無関心な生真面目さみたいな表情がひどく印象に残った。

電車侍:一番すごいと思ったのは、出てくる声優が順にしゃべるごとに「あなたが神か?」と聞きたくなったこと。皆さんノリノリですなあ。現場の一体感が伝わってきます。チャット(かBBSかよく判別つかなかったの私だけ?)のくだりは原作でも鬼おもしろかったけど、アニメでは更に笑えた。特にマダオのばればれな加齢臭漂うネカマぶり最高。エロメスは実にかわいかった(ぴょこんと飛び出す猫耳!!ネコミミ!)ですね。宮脇千鶴さんの作画の特徴はややふっくらした頬?
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2006年12月13日

妖逆門#37/D.Gray#10

「華麗なるミック、その愛」:三志郎の「妖怪たちの解放」という願いにくらべてミックの「(アイちゃんに振り向いてもらうために)常にモテる男になりたい」という願いの強さが、弱いかといえばそうでもなくこと強度レベルの話においてはどっこいどっこいだと見える演出ぶりがすばらしい。ゲームないしは競技には、日常から遊離してのめりこむ危険性もあるけど、なにより異なる境遇の者たちがルールの名において一旦平等なスタートラインに並んで切磋琢磨しあえるという素晴らしさがある。相変わらず見せたいことの腰が据わったアニメですよ。今回は対ミック最終戦ということで、ギャグのキレも最高だったかも。ベタに流れる前に、リアクションをスカしているのがいいなあ。しかし華朧はなんてイケてるキャラなんだ。もう一生ミックから離れん(きっちり瀬戸際で押し付けた三志郎はさすがだ)わあれは。ミックももう同年代(っていうか中学生だったのか!)の少女なんて小便くさいデースって感じだったしな。なんかさわやかで痛快なような、よく考えると空恐ろしいようなオチの微妙さがたまらん回でした。

「不幸な女のイノセンス」:ミランダが不運と戦っているのは自分だけでないと悟ることでエピソードクライマックスへの自然な流れをつくり、同時にアレンやリナリーの過去の苦労を紹介することで二人のもつ背景を深めている。ほんと卒ない構成ぶりですよ。お手本的だとすらいえると思う。しかしミランダの不遇ぶりはしみじみと半端ないなあ。イノセンス適合者は、もしかして神に非業を宿命づけられてるんだろうか。聖書におけるヨブのごとく。
posted by 三和土 at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月10日

シュヴァリエ#15「最後の密命」

前半に満ちている茫洋とした不安感が、サンドウィッチ伯爵(トランプ遊びの時にパンに具を挟ませたというお方か?)の手の者たちの急襲により飽和状態に。前回同様に緩急のある回でした。そして序々に明かされていくと同時に新たに縒り合わされる謎の数々。マクシミリアンはなぜあの局面で危険を賭してホワイトヘッドからデュランを護る必要があったのか? そして予告でメアリー王妃がデオン∴リアに見せていたコケティッシュな表情の意味は?

・こまめに王宮で働く(王妃の着替えをごく真剣な表情で手伝ってるあたりに時代考証の重みが感じられた)アンナの描写が新鮮。しめっぽい手紙を書き直す彼女は本当に聡明だし、明るくあたたかい人柄だと納得させられる。

・ゲルシイの忠誠心のバランスの取り方は現代人っぽい。彼もまた憎めないキャラクターだ。日和見主義者だけど。

・デュランぼけっとしすぎ笑た。あれはぼんやりしているを通りこして惚けている顔だったわ。

・唇を血が出るほどに噛み締めるデオンはこれまで一番熱血漢にみえた。うん、こういう男っぽい描写もっと見たい。同じく涙をこぼして耐えるロビンもいじらしかった。

・実はホワイトヘッド卿がへびくん@少年エスパーねじめに見えてしまって困っている件。あっでもしんだんだった。

・囲まれてからのデュランは動きも表情も良い作画。あとマクシミリアンが心配そうに支えるシーン、美味しゅうございました。

今回は仕草や構図に特に細心な演出が払われていた印象。そういう地味な部分が作品クオリティを下支えしていると思いまする。




posted by 三和土 at 05:15| Comment(5) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

妖奇士#10「弥生花匂女神楽」

この難物アニメをどうにか無心に楽しもうと、コツをつかむために必死な今日この頃。間違いない良ポイントは今のところ二つだ。

 一.宰蔵の舞は必ずなめらかな動き
 二.アビのふっ飛びぶりはお約束なご愛嬌 

 ほか気をつけるべきなのは、
※往壓のバトル中お説教の「おまえがいうな」状態は多分もう最終話まで払拭されないのであきらめる。というか年下にしか偉そうにしてないのがまたなんとも。
※シナリオの整合性の齟齬や場面展開の性急さ、テロップ文面の単純なわかりづらさは極力スルーする。
※各エピソードに一つは必然性が怪しい生理的かつ心理的に嫌な描写があるが、製作者の意図を考えすぎないようにする。答えはたぶん無いからね。

いやー、冒頭から女形役者に背後から絡み付く宰蔵親父というシーンを入れてくる無駄な挑発ぶり。なんかもはや「これがなきゃ!」と思えてきました。そいでもって、それを目の当たりにしてショックで逃げ出した→火の手が迫ってきているのを伝えなかったから親父の死は自分のせいと宰蔵が思い込む--という蓋然性の低いプロットが最高です。空振りフルスイング。

それと並ぶわかんなさが、妖夷に一人で対した宰蔵に向かって小笠原(「最初の漢字解説は私のかんちがいだった」じゃねーよ。なんかGロボ最終巻思い出した)が発したアドバイス「笑え!『笑』という字は女が手を挙げて喜んでいる姿だ」の意味というか発言の脈絡。さらに重ねて〆の場面では往壓との会話で「『笑』にさらに『女』を足すと…(『妖』となる)」とか言うの。で、二人で声合わせて快笑してEDに流れ込む。もうその置いてけぼりぶりに、私も三輪笑に加わってしまいましたわ。なんか楽しくなってきたぞオラ。もう4クールまるっと會川脚本でも平気だぜ。
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2006年12月09日

銀魂#33/009-1#8

デリバリー大工兄弟:若い頃の坂本がなんかかわいかった。というかグラサン外したら印象が変わるんだな。実はボンボンだというし。今回はその手紙部分のセリフ廻しがいい感じでした。あと作画も。佐藤陽子さんの回がやっぱり最高だなあ。動きも良くって、チェーンソーに引っぱりまわされる神楽や箱を回し蹴りする銀さんの身のこなしが目覚ましかった。そして、マダオゲーム(デリバリーネタつながりか!)は。久しぶりにいいCパート見たな、というか本編より破壊力の高いオマケ(笑) っていうかあのゲームほんとに売り出されたらそこそこ売れるんでは。ところで現ED「雪のツバサ」が前説なく売れていてちょっと驚いた。おいもレンタルしてくるばい。

「昨日の暦」:過去話。ミレーヌの家族の命を奪ったのが西か東かどちらの銃弾か分からないというのは意外でした。どちら側を憎めばいいかよく分からないので、父親の最期の言葉『自由をめざせ』に強迫観念的にしたがって生きるようになったという描写は納得できる自然なもの。家政婦よりかは、諜報員の方が何かしらの進展性があると思ったということだよね。そのためには友達(表情豊かでかわいかった)に二度と会えないのも気にしない。そのオチとして、自分をウエストに連れていったくれた諜報員に10年後にとどめを指すという乾いた展開も筋はベタながら淡々とした演出で味わいが出ていたと思います。ほんと、社会に生きてる限り分かりやすい「自由」なんてないも同然だよなあ。…なんかキャリアウーマンものに思えてきた。裏「働きマン」?

posted by 三和土 at 21:46| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月08日

「デスノート the Last name」('06/監督:金子修介)

先月オープンしたばかりの駅横ビル「金沢フォーラス」内のイオンシネマで観てきました。シートから新車の内装みたいな匂いがした。

以下「続きを読む」仕様で
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2006年12月07日

コードギアス#5/NANA#34

「皇女と魔女」:騎士のごとく忠誠と敬愛を捧げるべき貴婦人と出会うスザク、妄念に取り憑かれた転覆者の宿命として魔性の者と行動を共にすることになったルルーシュ。台詞や場面を交互に構成してカップル配置を印象付ける演出が良い感じでした。以前の回と同じく、学園の生徒たちが虐げられた側の痛みに鈍感な描写があったけどコミカルな日常部分とそれらとがいつかは衝突してきしんでくる展開になるんだろうか。というかなってほしいと期待してる。ところで「オレンジ」ってまったくの口から出任せだったんですね。私は“つまりオレンジ通商における職権乱用の証拠をルルが握ってるとか?”とかとっさに連想したんだけどむしろスパイのコードネーム的に受け取られたってことのようで。

いちごグラスが二個とも割れた:ナナが壊れかかってる。蓮に頼りきるわけにもいかないというわけで、奈々の決断にもう一波乱あったりするんだろうか。つわりが治まったからとベッドに押し倒してくるタクミの口走るロジックが、力づくロマンチック神話みたいな少女漫画典型描写でなかなか趣深かった。現実的に想像するとふつうに屑男系。
posted by 三和土 at 23:33| Comment(4) | TrackBack(1) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月06日

妖逆門#36/D.Gray#9

清対三志郎:ツンデレ姐さんナミの最後に見せた優しさに萌えまくり。清は一番成長した子だと思う。本当によく頑張ったとしっかり思わせてもらえる気持ちのよい仕上がりの回でした。妖逆門から下ろされた子はげぇむの記憶を無くしてしまうという設定はもの悲しいけど、しかしこのアニメにおいてなにげない寂寥感というのは最初から隠し味として仕込まれていたものなのでした。ところで、数話前にロンドンもきみどりを見て「おや」というような事を言っていたけど彼も清と同じく幼い頃にきみどりに会っているんだろうか。

ミランダ登場:わーん巻きグソがへび枝に変更されてたよー… しかしミランダver.1のこれでもかという薄倖女ぶり(人形劇の題材にされてるってどこまで嫌な街だ)とロンドンがモデルっぽいじめじめした街の雰囲気はきっちり楽しめました。それにしても仮想19世紀においてはoctoberでなくてoktoberと綴るんですか? 皮肉でなくて本当に設定をつかみかねてるんだけど…
posted by 三和土 at 19:17| Comment(2) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする