アメコミ原作のオカルトミステリー・アクションだけど、登場人物全員にいわゆる眼力が感じられるように撮っているのがすばらしいです。特に印象が強烈だったのは劇中で『ハーフ・ブリード』と呼ばれる存在の半天使であるガブリエル(聖書の大天使の分身?)と半悪魔であるバルサザール(こちらは聖書の東方三博士から名前のみの拝借かと)。前者の清らかすぎて紛い物にみえる美しさと後者の幼さと老練の入り混じったようなセクシーさは、まさしく俗的な天使と悪魔のイメージ。あとは美術セットがほどよくクラシカルだったのも良い印象でした。全体的に、ポップさとシックさとのバランス抑制が効いている。
脚本面も演出やヴィジュアル構築と同じくらい満足度高かったですけどね。ヒロインのアンジェラが命を賭して双子の妹の魂を救いたいと思う動機の発露や、コンスタンティンが乾坤一擲の決断を下した結果も納得のゆく展開になっているし。ラストシーン(エンディングクレジットの前後に二種ある仕様)のベタに流れない寸止め感も、いかにもPV出身の監督らしい粋さでした。