今週は後半しか見なかったのですが、コゼットが寄宿先の娘ふたり(憎まれ役ながらルックスはかわいらしいのが今風)にいじわるされるのをどこかの小僧(この子だれ? 誰だよという点では、予告ナレーションで掛け合い漫才やってるふたりは一体…)が助けるというエピソードで、わざと自分たちで隠したオヤツをコゼットに取られたと母親に言い付けるわけですが、小僧の活躍によりオヤツは取り去られる。そして叱られてしょんぼりしているコゼットは一旦は「返してあげなくちゃ」とのたまうわけですが… 次の瞬間。「食べちゃおう」とさらりと笑顔でいう。ぶっとんだわ。教育上の建前のないシナリオぶり、これを名作劇場と銘打つのはどういうものだろうな…
2007年01月15日
「少女コゼット」#2
わー、またOPみられなかったー 来週こそチェックしたい。
今週は後半しか見なかったのですが、コゼットが寄宿先の娘ふたり(憎まれ役ながらルックスはかわいらしいのが今風)にいじわるされるのをどこかの小僧(この子だれ? 誰だよという点では、予告ナレーションで掛け合い漫才やってるふたりは一体…)が助けるというエピソードで、わざと自分たちで隠したオヤツをコゼットに取られたと母親に言い付けるわけですが、小僧の活躍によりオヤツは取り去られる。そして叱られてしょんぼりしているコゼットは一旦は「返してあげなくちゃ」とのたまうわけですが… 次の瞬間。「食べちゃおう」とさらりと笑顔でいう。ぶっとんだわ。教育上の建前のないシナリオぶり、これを名作劇場と銘打つのはどういうものだろうな…
今週は後半しか見なかったのですが、コゼットが寄宿先の娘ふたり(憎まれ役ながらルックスはかわいらしいのが今風)にいじわるされるのをどこかの小僧(この子だれ? 誰だよという点では、予告ナレーションで掛け合い漫才やってるふたりは一体…)が助けるというエピソードで、わざと自分たちで隠したオヤツをコゼットに取られたと母親に言い付けるわけですが、小僧の活躍によりオヤツは取り去られる。そして叱られてしょんぼりしているコゼットは一旦は「返してあげなくちゃ」とのたまうわけですが… 次の瞬間。「食べちゃおう」とさらりと笑顔でいう。ぶっとんだわ。教育上の建前のないシナリオぶり、これを名作劇場と銘打つのはどういうものだろうな…
(2007冬:新)「デルトラクエスト」
BSジャパンでは8日遅れ、時間帯は日曜正午前というえらく良いもの。全国ネットを果たせなかった代替性が感じられますね。
評判通りに高いクオリティの初回。放映前にはエッジのとがり具合がやや古くみえたキャラ設定も意外に彩度の低いおちついた色彩設計のおかげもあって上品に見えました。人物の所作(リーフが兵士に追いつめられて一瞬口元に手をやって考え込むカット等)や世界観のセリフ外の描写(ジャードの仕事場の炉火とか)にも気を配られており、かつての名作劇場にも似た雰囲気はなかなか一般性があってよろしいかと。
しかし『影の大王』やその軍勢はデルトラ世界の七部族(どうもエルフ系やドワーフ系も存在するみたいですね)の結束の象徴である宝石を埋め込んだベルトによって駆逐されるとか、象徴性がまんまベタ設定になってるあたり、頭をからっぽにして見るのが正しいようで。開祖「指輪物語」以来のおやくそくに則った児童文学ハイファンタジーのTVシリーズというのは、これはもしかして初めてなんではないだろうか。がんばってほしいですね。
ところで40代前半と思われる相棒キャラとしてはめずらしい設定のバルダの仮の姿なんですが、原作ではどうも『乞食』と説明されているみたいですね。それはアニメでは詳細に描写されんわ。ジャードの下働きしながらぶらぶらしてるぐらいの感じに見えた。
評判通りに高いクオリティの初回。放映前にはエッジのとがり具合がやや古くみえたキャラ設定も意外に彩度の低いおちついた色彩設計のおかげもあって上品に見えました。人物の所作(リーフが兵士に追いつめられて一瞬口元に手をやって考え込むカット等)や世界観のセリフ外の描写(ジャードの仕事場の炉火とか)にも気を配られており、かつての名作劇場にも似た雰囲気はなかなか一般性があってよろしいかと。
しかし『影の大王』やその軍勢はデルトラ世界の七部族(どうもエルフ系やドワーフ系も存在するみたいですね)の結束の象徴である宝石を埋め込んだベルトによって駆逐されるとか、象徴性がまんまベタ設定になってるあたり、頭をからっぽにして見るのが正しいようで。開祖「指輪物語」以来のおやくそくに則った児童文学ハイファンタジーのTVシリーズというのは、これはもしかして初めてなんではないだろうか。がんばってほしいですね。
ところで40代前半と思われる相棒キャラとしてはめずらしい設定のバルダの仮の姿なんですが、原作ではどうも『乞食』と説明されているみたいですね。それはアニメでは詳細に描写されんわ。ジャードの下働きしながらぶらぶらしてるぐらいの感じに見えた。
2006年よかったアニメ(改訂)
(このエントリの内容は昨年大晦日に一旦公開されたものですが、その後「少女チャングムの夢」と「009-1」の視聴を終えたため、増補改訂することとしました。同時に放映中作品の雑感も追加。)
<2006年内に終了したアニメ・ベスト3選出>
今期終了今年終了したシリーズでほぼ全話見通した作品名を以下に羅列します(だいたい放送終了順)。
「怪〜ayakashi〜」
「強殖装甲ガイバー」
「雪の女王 The Snow Queen」
「交響詩篇エウレカセブン」
「ノエイン もうひとりの君へ」
「地獄少女」
「BLACK CAT」
「吟遊黙示録マイネリーべwieder」
「獣王星」
「夢使い」
「IGPX」
「TOKKO 特公」
「RAY THE ANIMATION」
「ErgoProxy」
「BLOOD+」
「ZEGAPAIN」
「スパイダーライダーズ オラクルの勇者たち」
「ケモノヅメ」
「イノセント・ヴィーナス」
「少女チャングムの夢」
「009-1」
以上計21作。感想サイト管理人としては少なめの部類ですね。さてその中で特に満足度が高めでかつ見るべきオリジナリティがあった作品をより抜いてみます。
「怪〜ayakashi〜」
「強殖装甲ガイバー」
「獣王星」
「ErgoProxy」
「ZEGAPAIN」
「ケモノヅメ」
「009-1」
大分絞れました。そしてそこからベスト3を選びます。
次点;「ZEGAPAIN」。ジュブナイルSFの雰囲気がすばらしい。OPとEDの完成度の高さは今年一番。ただ、終盤のあわただしさが惜しかったと思います。前半はほんっとうに楽しませていただきました。特に第6話の世界設定の種明かしの興奮からEDになだれ込んだ演出の神業は、個別話数部門の一位にしたいぐらい。
第三位:「009-1」。やはり1クールものは“広げ過ぎない風呂敷”構成に限りますね。同じ大西信介氏の担当作品でもイノヴィの方はその点を少々失敗していたのですが、本作においては石森原作へのスタッフの愛が功を奏したのかヒロイン・ミレーヌの心理面に焦点を当てていた軸が最後までズレなかった。発表当時の絵柄を活かしながらもアニメートに向いたリファインが為されたヴィジュアル面も秀逸。また、岩崎琢氏によるスタイリッシュな音楽のマッチぶりも忘れがたい。
第二位;「ErgoProxy」。えーとこれをシリーズ全体で肯定的に評価されている方は非常に少ないので勇気がいるランキングですが(笑) とにかく色々と問題があった(まるしー仁@イノヴィ)作品ですが、キャラクター描写のリアリティに絞ればまったく悪くない作品でした。
第一位;「ケモノヅメ」。企画、脚本、演出、作画、構成。死角がない文句なしの傑作。しかも間口が狭くない。エログロなのにエンタティンメント。
(総評):今年はWOWOWががんばってオリジナリティのある企画を前面に出してきていたのがとにかく大きかった。おかげで地上波アニメにはあまり満足できない体に… また個人的に特に好きなSF設定作品が企画乱立時代の中で準備不足のためなのか空中分解気味なゴールが多かった(「交響詩篇エウレカセブン」、「ノエイン もうひとりの君へ」、「ZAGAPAIN」、「イノセント・ヴィーナス」、「ErgoProxy」…うわ、多すぎ(笑) これらって結局、伏線として機能していた設定ギミックがきっちり咀嚼されないうちにドラマ集結したように感じます)印象なのが残念かも。アイデア自体は斬新なものが出ていたのは評価できるのですが。そういえばベテラン出崎統監督による「雪の女王」は、ファンタジー性が暴走したような中盤の迷走もなんのそので見事な大団円演出のついた最終回だったのが、さすがという貫禄でした。ノイタミナ枠初のSF作「獣王星」も設定部分の説明がうまく描写されていない点もぽつぽつあったものの、古典的ネタバラシに落とし込んだ構成になっているためライト層にも受け入れられやすいつくりになっていた巧さはフジテレビアニメを長年担ってきた清水PDならではと感じられました。うーん、つまり企画性はそれなりに独自性を打ち出せているものが多かったけど、まだまだそれらをまとめあげられるほどのリソース(特にPDや制作担当者)が業界に定着されていないし、そもそも予算やスケジュールも不足しているのが当たり前の状況が依然続いているということなんでしょうか。そういえばそもそも放映当初から息切れが明らかだったシリーズも多いのも2006年の特徴といえるかも… 結論:2006年はコンテンツ乱立の時代。ゆえに橋渡し役にしてまとめ役であるプロデューサーの善し悪しが作品の出来を左右することがより浮き彫りとなった。
<2006年内に開始して継続視聴中のアニメについて>
個人的なトピックとして、テレビ東京系夕方コンテンツが豊作だったことが猪の一番に上がります。春からのスタートだった「GEKIFU 妖逆門」は少年漫画の熱さの伝道者である藤田和日郎氏の企画参加により、幼少年向けホビーアニメとしては異例の落ち着いた心理描写を見せ、ジャンプアニメとしても毛色の違う時代劇系人情コメディ「銀魂」は枠移動という迷走ぶりさえ自虐ネタにするノリの良さが評判を呼んだ。同じくジャンプ発信の「D.Gray-man」は原作の繊細なヴィジュアルとウェットな心理描写を活かしつつより広い間口とする演出傾向の揺るぎなさに好感が持てる。2クール以降はオリジナル展開が盛り込まれるそうで、正念場はこれからか。4クール放映で一般視聴者層の取込みを狙った話題作「NANA」も、浅香監督の危なげない演出のレベルの高さで安心してみられる、良い意味で“浅く広い”仕上がり。シリーズとしての落としどころが今から気になる。WOWOWとプロダクションI.Gの初タッグにして開局15周年記念番組と銘打たれた「シュヴァリエ」は古橋監督の渋いコンテ仕事がこれでもかと味わえる贅沢さ。リアルなキャラ造形がマッチしておりWOWOWアニメが近年目指してきた映画ファンの鑑賞にたえる作品づくりの一つの到達点となることが予想される。そしてあいかわらずネット界隈アニメトピックの話題の的であるMBSの竹田PDが手掛けるダブル新作「天保異聞 妖奇士」と「コードギアス 反逆のルルーシュ」はよくも悪くもどちらも注目作ではある。前者はプロットの露悪趣味もさることながらエンタティンメント性の失敗により2クール打ち切りの噂もささやかれるのが非常に気がかりなところ。後者も作劇となじんでいるのが微妙なエグさが常に盛り込まれているあたりが致命傷とならないかという観点においてやはり視聴者はハラハラさせられることとなりそう。マッドハウスと海外資本カードメーカーが組んだファンタジー作「牙-KIBA-」のシリーズ前半においても情念モチーフの勢い重視でほとんどキャラクター設定が崩壊している心理描写が局所的に話題をさらっていたが、インパクト自体を勝負の手管とする傾向は、これもまた作品乱立時代の為せるものというところだろうか。とはいえ“目立ったもの勝ち”な狙いは視聴者へのアピールというよりも同業者への出し抜きという側面の方が色濃いのではなどと、そろそろうがった見方もしたくなっているのだが… そういう意味においても、むしろスタンダードな面白さを目指した作品をより応援したく思う今日この頃です。あ、いい忘れてたけど枠にしては伸びない視聴率で苦戦しているらしき「結界師」も私はけっこう好きですよー
最後に、周辺ネタになりますが今年後半はアニメ感想サイトをやめられる方が多かったような印象がありまして、さらには界隈全体で更新頻度が落ちてきている風なのが気になっております。もはやネットでアニ感は廃れ気味だったりして…(というかもしかしてみんなミクシィに主力うつしてるの?(笑)) 単にアニメ番組数多すぎ現象の弊害という原因だったらまだいいのですが。読み手として楽しませてもらってる身として、少々気掛かりな件だったりします。
ともあれ、本年2007年も旧年同様にバラエティ豊かなアニメコンテンツを楽しめることを期待するばかりです。そして当ブログ閲覧者の皆様におかれましては、今年もよろしくご愛顧のほどお願いいたします。
<2006年内に終了したアニメ・ベスト3選出>
今期終了今年終了したシリーズでほぼ全話見通した作品名を以下に羅列します(だいたい放送終了順)。
「怪〜ayakashi〜」
「強殖装甲ガイバー」
「雪の女王 The Snow Queen」
「交響詩篇エウレカセブン」
「ノエイン もうひとりの君へ」
「地獄少女」
「BLACK CAT」
「吟遊黙示録マイネリーべwieder」
「獣王星」
「夢使い」
「IGPX」
「TOKKO 特公」
「RAY THE ANIMATION」
「ErgoProxy」
「BLOOD+」
「ZEGAPAIN」
「スパイダーライダーズ オラクルの勇者たち」
「ケモノヅメ」
「イノセント・ヴィーナス」
「少女チャングムの夢」
「009-1」
以上計21作。感想サイト管理人としては少なめの部類ですね。さてその中で特に満足度が高めでかつ見るべきオリジナリティがあった作品をより抜いてみます。
「怪〜ayakashi〜」
「強殖装甲ガイバー」
「獣王星」
「ErgoProxy」
「ZEGAPAIN」
「ケモノヅメ」
「009-1」
大分絞れました。そしてそこからベスト3を選びます。
次点;「ZEGAPAIN」。ジュブナイルSFの雰囲気がすばらしい。OPとEDの完成度の高さは今年一番。ただ、終盤のあわただしさが惜しかったと思います。前半はほんっとうに楽しませていただきました。特に第6話の世界設定の種明かしの興奮からEDになだれ込んだ演出の神業は、個別話数部門の一位にしたいぐらい。
第三位:「009-1」。やはり1クールものは“広げ過ぎない風呂敷”構成に限りますね。同じ大西信介氏の担当作品でもイノヴィの方はその点を少々失敗していたのですが、本作においては石森原作へのスタッフの愛が功を奏したのかヒロイン・ミレーヌの心理面に焦点を当てていた軸が最後までズレなかった。発表当時の絵柄を活かしながらもアニメートに向いたリファインが為されたヴィジュアル面も秀逸。また、岩崎琢氏によるスタイリッシュな音楽のマッチぶりも忘れがたい。
第二位;「ErgoProxy」。えーとこれをシリーズ全体で肯定的に評価されている方は非常に少ないので勇気がいるランキングですが(笑) とにかく色々と問題があった(まるしー仁@イノヴィ)作品ですが、キャラクター描写のリアリティに絞ればまったく悪くない作品でした。
第一位;「ケモノヅメ」。企画、脚本、演出、作画、構成。死角がない文句なしの傑作。しかも間口が狭くない。エログロなのにエンタティンメント。
(総評):今年はWOWOWががんばってオリジナリティのある企画を前面に出してきていたのがとにかく大きかった。おかげで地上波アニメにはあまり満足できない体に… また個人的に特に好きなSF設定作品が企画乱立時代の中で準備不足のためなのか空中分解気味なゴールが多かった(「交響詩篇エウレカセブン」、「ノエイン もうひとりの君へ」、「ZAGAPAIN」、「イノセント・ヴィーナス」、「ErgoProxy」…うわ、多すぎ(笑) これらって結局、伏線として機能していた設定ギミックがきっちり咀嚼されないうちにドラマ集結したように感じます)印象なのが残念かも。アイデア自体は斬新なものが出ていたのは評価できるのですが。そういえばベテラン出崎統監督による「雪の女王」は、ファンタジー性が暴走したような中盤の迷走もなんのそので見事な大団円演出のついた最終回だったのが、さすがという貫禄でした。ノイタミナ枠初のSF作「獣王星」も設定部分の説明がうまく描写されていない点もぽつぽつあったものの、古典的ネタバラシに落とし込んだ構成になっているためライト層にも受け入れられやすいつくりになっていた巧さはフジテレビアニメを長年担ってきた清水PDならではと感じられました。うーん、つまり企画性はそれなりに独自性を打ち出せているものが多かったけど、まだまだそれらをまとめあげられるほどのリソース(特にPDや制作担当者)が業界に定着されていないし、そもそも予算やスケジュールも不足しているのが当たり前の状況が依然続いているということなんでしょうか。そういえばそもそも放映当初から息切れが明らかだったシリーズも多いのも2006年の特徴といえるかも… 結論:2006年はコンテンツ乱立の時代。ゆえに橋渡し役にしてまとめ役であるプロデューサーの善し悪しが作品の出来を左右することがより浮き彫りとなった。
<2006年内に開始して継続視聴中のアニメについて>
個人的なトピックとして、テレビ東京系夕方コンテンツが豊作だったことが猪の一番に上がります。春からのスタートだった「GEKIFU 妖逆門」は少年漫画の熱さの伝道者である藤田和日郎氏の企画参加により、幼少年向けホビーアニメとしては異例の落ち着いた心理描写を見せ、ジャンプアニメとしても毛色の違う時代劇系人情コメディ「銀魂」は枠移動という迷走ぶりさえ自虐ネタにするノリの良さが評判を呼んだ。同じくジャンプ発信の「D.Gray-man」は原作の繊細なヴィジュアルとウェットな心理描写を活かしつつより広い間口とする演出傾向の揺るぎなさに好感が持てる。2クール以降はオリジナル展開が盛り込まれるそうで、正念場はこれからか。4クール放映で一般視聴者層の取込みを狙った話題作「NANA」も、浅香監督の危なげない演出のレベルの高さで安心してみられる、良い意味で“浅く広い”仕上がり。シリーズとしての落としどころが今から気になる。WOWOWとプロダクションI.Gの初タッグにして開局15周年記念番組と銘打たれた「シュヴァリエ」は古橋監督の渋いコンテ仕事がこれでもかと味わえる贅沢さ。リアルなキャラ造形がマッチしておりWOWOWアニメが近年目指してきた映画ファンの鑑賞にたえる作品づくりの一つの到達点となることが予想される。そしてあいかわらずネット界隈アニメトピックの話題の的であるMBSの竹田PDが手掛けるダブル新作「天保異聞 妖奇士」と「コードギアス 反逆のルルーシュ」はよくも悪くもどちらも注目作ではある。前者はプロットの露悪趣味もさることながらエンタティンメント性の失敗により2クール打ち切りの噂もささやかれるのが非常に気がかりなところ。後者も作劇となじんでいるのが微妙なエグさが常に盛り込まれているあたりが致命傷とならないかという観点においてやはり視聴者はハラハラさせられることとなりそう。マッドハウスと海外資本カードメーカーが組んだファンタジー作「牙-KIBA-」のシリーズ前半においても情念モチーフの勢い重視でほとんどキャラクター設定が崩壊している心理描写が局所的に話題をさらっていたが、インパクト自体を勝負の手管とする傾向は、これもまた作品乱立時代の為せるものというところだろうか。とはいえ“目立ったもの勝ち”な狙いは視聴者へのアピールというよりも同業者への出し抜きという側面の方が色濃いのではなどと、そろそろうがった見方もしたくなっているのだが… そういう意味においても、むしろスタンダードな面白さを目指した作品をより応援したく思う今日この頃です。あ、いい忘れてたけど枠にしては伸びない視聴率で苦戦しているらしき「結界師」も私はけっこう好きですよー
最後に、周辺ネタになりますが今年後半はアニメ感想サイトをやめられる方が多かったような印象がありまして、さらには界隈全体で更新頻度が落ちてきている風なのが気になっております。もはやネットでアニ感は廃れ気味だったりして…(というかもしかしてみんなミクシィに主力うつしてるの?(笑)) 単にアニメ番組数多すぎ現象の弊害という原因だったらまだいいのですが。読み手として楽しませてもらってる身として、少々気掛かりな件だったりします。
ともあれ、本年2007年も旧年同様にバラエティ豊かなアニメコンテンツを楽しめることを期待するばかりです。そして当ブログ閲覧者の皆様におかれましては、今年もよろしくご愛顧のほどお願いいたします。