2007年01月21日

(2007冬:新)「東京魔人學園剣風帖 龍龍」

『龍龍』は「トウ」と読むそうです。ゲーム発の息の長いマルチメディア・シリーズとして愛されている作品のようですが、私は今回のアニメ化で初めてタイトルを知りました。放映話数はどうも2クールらしい。

意外だったのは、主人公が学園に転校してくるところから始まるのだろうというセオリー予想が外されたこと。すでに全員が力と使命に目覚めている。一瞬『第1話見逃した?』と思うこと請け合い(笑)

他にも、主人公が感情の読みにくいというかとらえどころのない性格の少年らしいので感情移入しづらいのとか、場面つながりがブツ切りにもみえて展開を理解しにくいきらいもややありますが、今回の場合はそれがスタイリッシュな効能に働いていて感触はけっして悪くないですね。企画プロット自体はジュブナイル系伝記ホラーとしてありがちなものだけど、味付けは思ってたよりスパイスが入ってるというか変化球系。あと作画レベルがかなり高い。どこまで維持されるのかは心配ですが。とりあえず、一番印象に残ったのは小蒔(こまき)という粋な名前のねえさんの弓術。格闘系にいちゃんと主人公は、どちらも得物なしで戦うみたいだけど双方の違いが現在時点では分かりませんでした。
posted by 三和土 at 21:03| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「にんげんドキュメント」『対話がアニメを作り出す 〜 監督 神山健治』

NHK総合チャンネルで1/19(金)22:00から放送されました。再放送は火曜深夜にあるそうです。

来春からBS2で放映開始が予定されている「精霊の守り人」の宣伝といまや世界に誇れる国産商品としてのイメージが定着した日本アニメの内幕を見せるのとを同時にこなした印象。…それにしてもアニメ制作の様子をブラウン管でながめている時に感じる落ち着かなさ、これは何なんだろう。単なるオタクとしての自意識過剰なんでしょうか(笑) プロダクションI.Gなぞは、環境も待遇も比較的整えられてるらしいから社員たちの見栄えも言ってみれば他業種とそう変わらない印象なんですよね。それでも何やら『ふつうの人はこのドキュメンタリー内で説明されてる事柄に付いてけてるのかな』とつい考えてしまう。…結局、二次元キャラに自己投影も時にしつつ魂を込めていくという作業に、偶像崇拝的な背徳感の印象を持ってしまうせいなのかなあ。

まあともあれ、オーソドックスな手法論に沿って生真面目なまでに脚本家たち(菅正太郎さんが名前テロップ入りで目立ってた)とディスカッション(和やかそうでした)を交わして作品を構築していく神山監督は、これまで目立ってきたカリスマ監督たちとはやはり毛色の違う、新世代だなと思ったりしました。番組の〆では監督が実家(ご両親がそろって腰の低くて良識の高そうな感じのとてもいい…)に里帰り。「ガンダム」とタイトルロゴを真似て手書きしたカセットテープ(ビデオもない時代に音録りしたものらしい)を学習机から発掘して、中学生のころは人と交わるのが苦手だったのに、今はこうやって対話の中でアニメを作ってますとか語ってたのが印象的。「精霊の守り人」でも、ヒロインが他者のためになにかをやりたいと段々思っていくというモチーフが描かれるそうで。自分の中の青さを隠そうとしない人なんだなあとまたもや思いました。しかし問題は、その「精霊の守り人」がこの番組内で紹介されてる分を見るだけではあまり面白そうに思えなかったこと(笑) 精神論を語るまったりドラマが多そうで、アクション活劇度は少なそうに見えました… でも背景美術は緻密で凄かったなあ。水田が美しかった。
posted by 三和土 at 02:53| Comment(4) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする