アンナの運命をアバン部分で描いた潔い構成で、OPを見ている時点でかなり感極まった。今話と次週の最終話は第1話以来の冲方氏の脚本担当ということで「蒼穹のファフナー」の終盤のように、今回も情報量パンパンになるかなと覚悟を半分決めていたけど、わりとゆったりと場面同士の間合いが感じられるつくりになっていて、苦労せずとも引き込まれて楽しめました。ただ、残る謎であるマクシミリアンの正体と王家の詩との関係についてが気になってしょうがなかったという点も確かですが。
・アンナの死を嘆きつつも、騎士としての道に悩まざるを得なかったデオンの胸中には悼み入る。時代の奔流のただなかにいる時、悲しみに沈むことさえ許されない贅沢となる。
・棺に入った婚約者と涙の対面という古典的な愁嘆場をてらいなく正面から描ききることでちゃんと感動できる仕上がりになってました。首がすわってない亡骸の描写が重い…
・重傷の床に着いたブロリーに自ら足を運んで心配事を尋ねにいくルイは、孫のオーギュストと同じほどにいたいけにみえる。サン・ジェルマン伯爵とルイのキャラはちょっと変化の経緯が速すぎたかもなあ。ロビンに銃口を向けられてのあの怯えぶりはちょっと。
・しかしマクシミリアン、昔はやっぱり人格が別(笑) フランス人じゃないってどういう意味? 遠い星からやってきたとかか?(けっこうまじめにそう考えてますよ、私)
・リアの嘆き方すごいな。恋人が政治的にヤバくなったのは分かるとして、その場で崩れ折れて床に横たわって嗚咽とは。
・平民風の装いをしたロビンと騎士の姿のマクシミリアン、室内で向かい合い立つ。以前は反対の格好をしていた二人が、と思うと状況の変遷に思いを馳せてしまう。
さて、デオンは現世におけるほとんど全てを失ってしまったかのように思えるけど…最終話の決着を座して待ちます。