2007年04月15日

東京魔人學園#13「外法の谷」

街の治安を大きく乱し、なおかつ人を殺している敵役キャラを主人公が「救いたい」とした場合、オチをどうつけるかはおそらく多くの制作者が悩むところと思われる。本作の場合はまずは親友を直接に手に掛けられている雨紋に左手を切断させて攻撃力を決定的に奪い、その後で温情主人公により“ちょっとしたカウンセリングただしパンチあり”が。ああ、これってメタルジャックだわ。当時はケンがトロイダルにした仕打ちはちょっちゆるせないと思った節が自分にはあったけど、あれはあれで交流の一つの形だった…のかも。ズレた。

今回のポイントは龍麻、葵、九角というそれぞれに孤独に耐えてきた三者の心の流れを描いた演出。やはり相当にストレートなドラマツルギーが為されている。孤独の苦しみゆえに心を打ち捨てた九角、ぎりぎりの一線で自分を取り戻した葵、そして孤独をよく知りながらも他人の苦しみに自然に共感できる龍麻。三者ともに苦しんできたことが描写されてきたわけですが、龍麻にはトラウマの影は薄いように思われた。そこへ比良坂紗夜のエピソードを配したことで、龍麻が葵を助け出し九角の感情を正面から受け取める準備が出来上がったというわけで。なかなかシリーズ構成が成功しているのではないかと。思いのほか、素直な青春アクション伝奇アニメだったのねえ。

もうね、九角の中二病っぷりが最高でしたよ。幼女マリィの前で「かあさま」とか口走って平気な顔しとるし。マザコン由来で固着したトラウマってやはり最凶だわ。次回は黒幕である柳生(けっこう爺様。というかあの顔は前に見たような?)が龍麻たちの前に出てきて1stシーズン終幕というところでしょうか。

作画は好調。色んなアクションを堪能しましたが、ベストショットは雷術使いの仙杖を足技でひねり取る如月。というか全体的にいつまでもヘタレ臭が抜けない如月。
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2007年04月14日

ダンクーガノヴァ#9/鋼鉄神ジーグ#2

「神獣覚醒」:四人の私服が新しくなったようなそうでないような。今回はソフトのヴァージョンアップ成功!みたいなエピソードだったけど、カタルシスはあえてない造り。巨大ロボットとは何なのか、それに乗る理由とは?という引っぱりでここまで来ている点に関しては面白い。あとエイーダはキャラがどうにも固まりきれてない部分も含めて案外好き。しかし今回一番印象に残ったのはやたら豪華な基地内私室を持っているセイミーさんのうらやましい待遇。

「蘇る妃魅禍! 復活!邪魔大王国」:サブタイ長ぇ。でも筆文字クレジットが常にかっこいいんで許しちゃう。ヒミカ様と部下さんは接吻で仕事のやりとりする。エロいんだかグロいんだか微妙な描写。ヒミカ様といえば、EDでちらっと映る未登場のふんわり髪美少女となにか関係あるのかな。素体とか?あとOPでのシルエットカットの男女も気になる。今回もキャラ同士の絡みが自然でいい感じ。たぶんシナリオが上手いんだと思う。台詞の掛け合いがなめらか、かつ不必要に媚びてない。戦闘描写もなかなか工夫が凝らされてていいですよー ああ、しかしエンジェルさんたちをもっとばっちり紹介して… エンジェルの名が全然似合ってないくせもの揃い。リーダーは十兵衛ちゃん。ところでビッグシューターってもしかして全然援護のための攻撃機能持ってないの?
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2007年04月12日

グレラガ感想前線より撤退の辞

第2話も録画して視ましたが、第1話同様に画面上で展開されているドラマ内に入り込めませんでした。

本作が指向するドリル回転と、私の感性のドリル回転がおそらく真逆なためと思われます。ここらで潔く撤収なのであります。が、しばらく哨戒は続けるのであります!

なんで自分がガイナックスアニメが最初から苦手かというと、多分ここの会社の志向がある種のマッチョだから。言い換えればねじれの入ったホモソーシャル…かも。
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2007年04月11日

D.Gray#26「終末への幕明け」

善良な人間性を強調した先週エピソードを受けて、イエーガー元帥の敗北展開(ロードの夢攻撃描写は緩急リピートぶりがいいアイデアでした)にどんな酷いインパクトを与えられるかとハラハラしながら見た心臓にやさしくない回。結果としては、ノアの一族のエクソシストへの根深い悪意を示しつつも過剰な惨さは避けている印象でわりとホッとした。ただ病室に座っていた時の元帥の表情はちょっとクドすぎるタッチだと思ったけど。さて、原作においては精神を壊されたイエーガー元帥の様子がイメージ映像的に描かれていただけであって、今回のオリジナルエピソードはアニメ版においては独立宣言とも呼べるほどの踏み込み方。ビジュアル面やファッション性優先キャラクタリズムが原作の強みであるけど、それを一定の時間の流れに沿ってストーリーが綴られる媒体であるテレビアニメにそのまま採用する愚を犯すことは当然できなかった。ゆえにより道徳性やヒロイズムを強調することで同時に一般性を取り込んで幅広い層へのアピールを狙ったプロデュース法をとったのだと考えられるけど、現在の時点ではかなりのレベルで成功していると思う。ところで新OPはリナリーのアクションカットがスピード感ありすぎるために、コマ送りの理由ができてしまうサービスぶりに拍手(笑)
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コードギアス#21/銀魂#50

「学園祭宣言!」:やはりシリーズ構成担当である大河内一楼氏のシナリオが一番安心して見ていられますね。今回もユーフェミアの浮き世離れしたエリア11特区化宣言を、周囲の熱狂と冷淡が入り交じったレスポンスによってどうにか中和した印象。あと演出もよくフォローしていて、たとえばラストカットの怒りを抑えつけているルルーシュの目元。アップで映したフレームの色味が変わっていく手法に緊迫感があった。さて地上波放映感想においてネタバレた身にとっては、今回のお祭り気分エピソードはまさしく嵐の前の静けさ、運命の残酷さを際立たせるための和やかさに他ならなく感じられるわけだけど… 結局、竹田PD番組は視聴者へのいじわるが抜けきらないのねえ。

テコ入れは大体無駄な努力に終わるってのが赤裸々部分の中で一番ショックだよ:ええ、ついこの前までホットだった作品に当てはめてましたよ! 今回は総オリジナル。そしてネタオンパレード。もうどこから感想していいやら。映画の予告編パロがいくつも見られたわけだけど、それぞれにジャンルの特徴をよく押さえてたのが完成度高かったなあと、特に。あと今回は録画しながらも放送リアルタイムで視てたんだけど、そうすると音響面の凝り様がよく聞き取れるんですね。その意味においてもギャグアニメは放送即時に限るなあと感じた。新しいOPとEDは曲の出来がどちらも上々ですね。ただ、男性ボーカルがややお互いに似ているのが少しややこしい印象かも。
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桃華月憚#2「歌」

主人公が通う学園にて、万葉集の和歌を詠みあげる『歌会』と呼ばれる催しが行われる。それと同期してもう一つの集いが人知れず始まろうとしていた… 以下説明不可能。

キャラ名が覚えられない(ここで記述してみても多分漢字間違えてると思う)し、見分けつかないし。設定がどうにも見えてこないし。

しかしこれはこれでいいのだなと段々思えてきた。その場その場のシチュエーションで、いかに少女たちを可憐に描くか。印象実験アニメとして視ようかと思う。にしても、何らかの力と永い記憶を受け継いでいるらしき四者が、ほとんど同じ顔でなおかつ髪型や色まで似てたのはきつかったー

さて、作画監督クレジットはあきらかに中国人名。しかし本編はというと総作画監督の西田亜沙子氏のタッチにしか見えない。あんさん、どんだけ手を入れてはるんですか…すごい。
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2007年04月09日

新番ピーク過ぎての総感

今月下旬のBS-i組や来月と再来月のCS開始組(そういえば「スカルマン」のBSフジ情報はまだだろうか。今月中に始まることはまずないのだろうけど)がまだ残されているものの、先週末を持って全国的に初回ラッシュは一息着いた模様。よってここで当サイトのスタンスを軽く記しておこうかと。

ということでこれまで視てきた中での初回におけるつかみ良好度

ジーグ>地球へ>エミリー≧精霊>鬼太郎>桃華>グレン

相変わらず、我ながら何の法則性も感じられない感性… そしてチェック数やっぱり少ないなあ(笑) まあ当地で視られるものは大方チェックしたようでもあるけど。

毎話感想を続けられそうな自信≠視聴継続予想については

 地球へ>ジーグ>精霊>エミリー>鬼太郎>桃華=グレン

「地球へ」は原作の定評が固まってるのと2クール構成ゆえに話がダれることはないだろうという予想。「ジーグ」は作画レベルをどこまで保てるかが鍵かな。でも1クールみたいだしきっと全話完走できるでしょう。「精霊」は何クールだったかな。架空紀行ものとしてのパートがゆったりしているのがやや不安要素。「エミリー」は主人公の一種我の強さが鼻につくか単純に名作要素に飽きてしまったらリタイアの可能性あり。「鬼太郎」は一年以上の長丁場が目に見えてるからなあ。視聴率が高いファミリーアニメは感想書きづらいものだしね。「桃華」は趣向の凝り様やネタ明かしに興味を持ってるものの録画意欲が続くかは謎。「グレンラガン」は第2話のストーリーの評価が巷で高いので初回に引っかからなかった事を保留中。カテゴリーを作るとしたら上位5つかなあ… もう数週様子見か?

今期はすごくダメなものはないけど、ズバ抜けた斬新さが感じられるものも無いという春クールにしては地味な印象。関東圏では何が一番の話題作なんでしたっけ。…グレンラガンだっけか? もうそれすらも分からない。もし私が関東圏にいればジーベックが総力を注ぐであろう「ヒロイック・エイジ」に注目すると思うけど、感想サイト界隈ではそんなには関心度高くなさそうだしなあ。個人的に好きなSFメカ系の「ギガンティック・フォーミュラ」や「キスダム」は現状や今後の少々の不安要素が目立つようだし。問題作となりそうな「ぼくらの」はどうなんだろう。鬼頭氏の漫画はアニメ化には向いてないような気がしてならないんだけどなあ。萌えアニメ系はまったく把握できなくなって久しい。ジャンルがそこにかぶってる「アイドルマスター」とかもだからよく分かんない。「Overdrive」や「ハヤテのごとく」はそれぞれあまり好きになれないタイプの少年漫画原作。当地でも遅れて放映がはじまる「BLUE DRAGON」、鳥山絵でなければ視たかも。もう氏の絵柄はおなかいっぱい。うーん「スカルマン」が石ノ森原作としての虚無感をうまく出せてればいいなあと思います。しかし石森漫画のアニメ化企画は途切れませんねえ。「ギルガメッシュ」みたいにもはや原作とは言いがたいほどの珍作(個人的には名作ですが。客観的にみればやはり。)がまた出てきたら面白い。余談でした。
posted by 三和土 at 16:27| Comment(0) | TrackBack(1) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

鬼太郎#2/少女コゼット#14

「ビビビ!! ねずみ男!」:根津三男社長が某有名アニメ監督に見えて仕方ない件。今週のMVPはキャンギャル姿の猫娘でもなくオカネタリネエぴきーんな鬼太郎のシリアス影付き顔でもなく、スパーカーにはしゃぐ子泣きじじいとぬりかべです。しかし三条陸氏(この人のOUTライター時のPNは須田留貧でいいんだっけ?彼の携わった企画は実に爆笑もの揃いでした)はいい脚本書きますね。ねずみ男が会社を救おうとした理由の明確さとか、鬼太郎の立ち位置の説明とか実に分かりやすい。あと今回の児童もの学習要素は「きちんと挨拶できる子になろう」でした。

「二人きりの旅」:旅の途中でBGMとして流されたED曲が沁みた。逃避行の中の一時のなごみ。それにしても幼女の心の機微をいちいち汲み取ることのできるヴァルジャンはエスパーか。コゼットにたらふく食わせる描写はこれまでの展開に心痛めていた視聴者へのサービスにもなっているのが面白い。ハイジが食べてたおんじ特製とろとろチーズのせパンみたいなのも出たよ!!
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REIDEEN#6/MOONLIGHT MILE#6

「神なる鳥」:がっかりした。脚本の悪さがぶり返したところにシリーズ構成があやしいのが重なって正直がっかりした。もっとも萎えたのは、星川メンバーの性格が急に姉御寄りになったこと+エスパー/格闘技マスターのご都合主義まるだし設定。次に自分の乗ってたライディーンが敵もろとも攻撃を受けたというのに淳貴が政府や自警隊へ不信感をまったく抱かないところ。もひとつ、パイロットスーツがダサい上に、なぜ搭乗時にこれまでの服のように消えないのか説明が全然ない点。もいっちょおまけに、まえたさきたろうがいつのまにか「才賀くん」じゃなくて「淳貴」と馴れ馴れしく呼ぶようになったこと。前者の方が萌えるのになー 唯一面白かったのはゴッドバード時に淳貴が水平姿勢になって背中上に翼の意匠が浮かんだこと。あと自警隊のごついおにいさんが単細胞でちょっと笑える。あ、迅雷は遠隔操作なのね。セリフで言われてようやく分かった。ああ、しかしキャラの性格が回毎に変わるのはきついね。かなりいやだ。

「ギャンブラーズ」:歓迎パーティー発覚展開はなんたるベタ。ちょっと唖然気味。宇宙飛行士たちをいちかばちかの人生ギャンブラーと例えるための、ケーブルが切れた新米クルー・吾郎の帰投時間を賭ける際に慌ても助けもしない描写はなかなかさりげなくて良かったし、宇宙開発にあまり興味がない人でも見やすい様に作ってある点はわりと好感が持てるものの、シリーズ全体としてもどうも一味足りないという感触もまた事実。
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2007年04月08日

(2007春:新)「地球へ…」

UVERWorld(綴り違ってたらごめんして)の歌うOP曲いいなあ。今期一番好きかも。画面もいいわ。特にキースとフィシスが近寄るけどパッと離れるカットとジョミーがとんぼぎりみたいなアクションするところ。

これまで観た今期新番の中で頭から終わりまで入り込んで楽しめたのは「鋼鉄神ジーグ」とこれだけ。手指や足先の動きの情感に気を配っていたり、母親がせめて服を着せてやってくれと必死にパジャマを押し付けたりといった地道な演出と顔立ちが華やかな結城デザインとのバランスがいい感じ。これなら多少作画が崩れても気にならないかも。

ストーリーについてはSFではおなじみのディストピアものの発端なんだけど、ジョミーがどの時点で成人検査の非人道さに気付くかという点でけっこうサスペンス感があった。ナキネズミ(しっぽふさふさかつちゃんとどうぶつどうぶつしててかわいー)の感応波をジョミーが受信したことでミュウ組織の構成員が素質に気付くシークェンスで思ったけど、ミュウは社会のタブーに気付くほどに感受性の幅が広い若者の暗喩なのかもね。

しかしアトラクションのライドぶっ飛ばして脱出させるブルーの手荒いこと(笑) あと精神探査されるジョミーがかけられてるマシンがまるで60年代海外SF映画のプロップみたいで驚いた。

あ、原作は未読です。映画版は途中まで視た(そろばん塾から同級生が呼びにきて家を出なければならなかった)記憶があるけど内容は全然覚えてなかったり。
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(2007春:新)「精霊の守り人」

プロダクションI.G制作のアニメにはどこかしら教条主義的な雰囲気を感じていたけど、それゆえにか意外にNHKの雰囲気に合ってる。反面、スタッフが重なる「攻殻機動隊S・A・C」シリーズの時よりも演出がさらにこなれて感じるのは、原作付きゆえの脚本面の土台の確かさの賜物か。

全体的にテンポがゆったりとしていてやや退屈な部分もなくもないけど、ヒロインが招かれた先の寝所に皇后が訪ねてきてからは自然に引き込まれた。幼い少年を間に置いての立場のまったく異なる二人の女性の、表面上は礼儀にのっとりつつも水面下では真剣勝負の丁々発止な言葉のやりとり。そしてしめくくりは皇后の問いに答えて、バルサが心に決めたつぐないの最後をやり遂げようとしていることが明かされる。

美しく緻密な背景描写で世界観を端的に示して、練られ縒り合わされた脚本と演出のコンビネーションで物語の発端に説得力を付し、そして定評ある作画力でアニメーションとしての醍醐味を魅せる。とはいえケレン味の薄さがなきにしもあらずだけど、それさえカバーされているかのような堅実な初回でした。それにしてもチャグム皇子は放映前に持ってた印象よりずっといとけない。「もうあなたは皇子ではなくなった」と母から現実を告げられて流浪の身となった少年は、果たしてどこに自分の居場所をみつけるのだろう。

ところで星読みの学者が白髪ロンゲの美形で見るからに怪しいのが笑える。このあたりのノーガードぶりもI.Gらしいよねー
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(2007春:新)「風の少女エミリー」

OPは堀江美都子氏の歌唱力も感動ものだけど、メロディラインがとてもきれいですね。ED担当のEPO氏はファンなんでうれしい。あとイラストが切り絵調で渋いというか味わい深いですよ。

冒頭では「この独り言の多い夢見がちな少女をどうすれば…」(同じく原作者自身がモデルであるらしい『赤毛のアン』アニメ版はその点びっくりするほど処理が上手かったんだなあとか思った)とはやくもぐったりしたけど、父親がスピード展開で亡くなって(肺結核とかかしら)からマレー家の面々が登場して急速に現実感が増し、ぐっと話に引き込まれた。クライマックスは当主のエリザベスがエミリーの引き取り手をお互いに押し付けあった結果のくじびきを反古にするところ。厳しく冷たいようで、実のところは一本筋の通ったまっとうな女性であるところがたちどころに理解できる演出でした。変わり者そうだけど気の好い親戚のおじさん・ジミーや控えめで優しいローラといったエミリーの味方になりそうなキャラも少なくないので、前向きさを素直に楽しめるアニメになりそう。
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2007年04月07日

ダンクーガノヴァ#8/東京魔人學園#12

「過去からの脱出」:前回からの繋がりはよく分からなかった(というか先週の結部をちゃんと視てなかった)けど、洞窟の中でダンクーガを降りて生身で逃避行する羽目になった四人がパイロットになった心の裡を明かしあうエピソード。これってつまり天然カウンセリング(15歳のあの子は癒し役ではあるけどカウンセラーとしてはあまり働いてないのというギャグは割とさりげなくて良い)だよね。暗い洞穴を抜け出すことも重ねて、彼らは今回を持って“生まれ変わった”ということか。脚本重視なこういう作品は、他の面で出来はいまひとつでも嫌いになれない。

「九角復興」:これもまたまつろわぬ者の怨念が発端という話なのね。そしてマリィの『あの方』は柳生家の者なのか。…でも柳生ってたしか将軍家に仕えてたんだよね。獅子身中の虫という役回りなんだろうか。今回は今までよく分からなかった物語設定がテンポよく解説されて合点がいった。ラストカットの愚連隊もどぎテイストといい、演出も伏流的に熱い。「あいつはおれが必ずやる」「やらせないよ」というやりとりは笑えるけど。なんてテンションの低い主人公だよ。しかし葵はある意味「汚れヒロイン」を極めつつあるなあー 徹底した不運ぶり、嫌いじゃないぜ。あ、作画は意外に復調しました。ただし九角の手のひらがのっぺらと関節なしだったカットは目に焼き付いたけど。敵役のせいか前回も未修整部分の割をくってたなー
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2007年04月06日

(2007春:新)「鋼鉄神ジーグ」

激燃えた。OPのラストに水木アニキの声で『鋼鉄神ジーグ!』て!! 俯瞰のガッツポーズなジーグが背景で!! 今期のWOWOWロボットアニメ陣は「REIDEEN」で萌えて「鋼鉄神ジーグ」で燃えることに確定。リメイクでもできるもんだなあ。

何が素晴らしいって、ハニワ幻人なんとかせな! って思わされちゃうんですよ。だってTVの天気予報から九州地方が消えてるんですよ!!ああー、悪の埴輪たちによって巨大な暗雲に巻かれた九州(本作は邪馬台国畿内説不採用なのね)に住む人たちはどんな目に遭わされてるのか…ああー埴輪にされちゃってるのかもしれない(だから外部と通信できないのかも)。それでとうとうにっぽん本州にも魔の手が。巨大生物が暴れたことにより街が壊されてそれに巻き込まれる人々がくどくないけどなかなかリアルな描写。

次に素晴らしいのはヒロインのつばきちゃんがめちゃめちゃ可愛い。永井豪タッチのアクを絶妙に残しつつ洗練したキャラクターデザインは、動いたらさらに魅力を増していて、これはメインキャラクター全員に言えること。あと幼なじみの主人公を校庭で追っかけるのとかふた昔前の学園ドラマみたいでたまらない。

前作にさして思い入れはない(超合金おもちゃは家にあったけど、放送自体は当地ではなかったんじゃないかなあ)けど、アナクロさをきちんとくるみ込んで咀嚼したリメイクぶりがとても好感が持てる。ところで作画(余談ながら部分カット的にバイクにまたがったキャラも一緒に3Dモデリングしてたのは面白い処理だと思った)の方はまさか今回のレベルが保たれるとは思わないけど、これからも要所だけでもがんばってほしいです。
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コードギアス#20/銀魂#49

「キュウシュウ戦役」:前回に引き続いてユーフェミアが発狂したかのごとく馬鹿。いや、ここまで場違いな行動と発言する子じゃなかったでしょ… ちょっとついていけない展開。そんな中、空飛ぶ戦艦(これなんだかとってもFSSちっく)から敵地へ発進するランスロットをナビするロイドの副官(名前度忘れ)のふだんと一線を画したぴしっとした口調がよかった。細部はいいんだけど、総論として妙なところが目立ってきちゃってるんだよなあ。

別ver.OPいいですね。うまいこと早口気味だし:きちんと第一期満了の謝意を示す律儀さが本作らしい。ここまで視聴者とのコミュニケーションを意識し続けている番組はアニメ全体でも、ましてやマーチャンダイジングの鬼であるジャンプアニメにおいては異色。二年目もどうぞがんばってください。EDに編集されていたより抜き名場面を見ていると、力のこもったフィルム作りがされていたとあらためて。あとゲストキャラのキャストまで全員クレジットしたのは今までありそうでなかった(と思われるんだけど厳密なところは分からない)。本編の方は伝説のギャンブラー・アカゲ(福本伸行キャラってやっぱりこすい顔してる(笑))を偶然の運で打ち負かした長谷川さんというオチにちょっとしたカタルシスが。ギャンブルと人生はこれだからおもしろい、って感じでしょうか。
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2007年04月05日

(2007春:新)「天元突破グレンラガン」

これ、作画の豪華さとGAINAX作品としての文脈がなかったら単にたいくつなアナクロさにしか思えない。あと子供に見てもらうにしてはレイアウト凝り過ぎというか、画面も暗めすぎるというか。もうちょっとストレートなつかみの初回くると思ってたんだけどなあ。

向いてなかったわ。「銀魂」と続きの枠なんでしばらくは視聴続行だけど、レギュラー感想は無理そう。言いたいことが見つかりません。
posted by 三和土 at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月04日

(2007春:新)「桃華月憚」

とうかげったん、と読むそうで。耽美系ミステリー純愛もの?

というわけで、BS朝日での放送を試しに視てみました。ゲーム原作アニメは苦手なので、最初から理解することを放棄してはいたけど、清々しいほど描写の意味とかカット同士の繋がりが分からなかった(笑)

でも速水奨がスーツきた初老のおっさんの声を当ててるのとか、例によって若すぎるおかあさんキャラのセリフが凄すぎる(「お部屋はあたたかいのに私の心の中はさむいよ…」)のとか、完全に老人なのに絶倫という設定を示すために御簾の奥で騎乗位アンアンとか、伝奇っぽいミステリー部分とか、様式のごった煮ぶりとかになんとなくとっかかりに感じるものがあったので時間が合えば来週も視てみようかと。「サブタイトル さくら」と抑揚を消した中年女性の声で画面上の字を読み上げる演出は、音声放送の一種の無気味さを意識してるとか?
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MOONLIGHT MILE#5/D.Gray#25

「星の街から」:おお、ここにも岡本真弥さんが。稚気を一部に残したかわいい大人の女がこれほど似合う声優さんも他にいない。今回は演出の良い回でした。ターニャは顔立ちといい、芸術への態度といい、とてもロシア人っぽさが出たいいキャラ。彼女の境遇はむしろこれからさらに堕ちていく予感もあったけど、それと引替えにする形で吾郎へのエールを人知れず送る、そんな姿勢に宇宙への憧れに命を賭けるアストロノーツと通ずるものがある。

「元帥の鎖」:これからの展開がシビアさを増していくことを遺憾なく示した好アレンジ。地獄を常に見ているアレンだからこそ、それ以外の面を大事にしようと思っているわけで。ただ、そんな努力の糸もいつかは切れてしまう予感もある。にしてもイエーガー元帥(持ち技がアンドロメダ瞬)は全然厳しいとこ見せなかったじゃん(笑) それと若き日の元帥を助けたアーチャーのエクソシストがかっこいい。もひとつ、蝶をおっかけてたティムキャンピーがかわいかったね。ひとときの凪を演出してて印象的だった。
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2007年04月02日

少女コゼット#13「ジャン・ヴァルジャンとコゼット」

抑えに抑えてヴァルジャン、強欲夫妻の足を掬う。今週もスカッとした。特に夜にふらっと出てって露店で人形を買ってくるシーンのあまりのグッジョブぶりには思わず笑いが。笑いといえばテナルディエとヴァルジャンが同じテーブルに座っているツーショットの違和感がなかなかシュールですてき。無駄に追求はせずにとにかくコゼットを手放させる必要があるためにあざとい描写になってないのが上品ですね。このあたりはユゴー作品の特徴なのかもしれないけど。

しかしカヴ坊のいじらしさにはグッときたよ。シュシュとともに付いてきてアニメオリジナル色を強める展開になってもやはり破綻が出るかもしれないしね。ちょっと切ないけど別れはしょうがない。そして逆恨みの激しいエポニーヌ。彼女は結局コゼットの純心さをひがんでいるだけと決定的に明らかになった回でした。ただただ自分の欲のために他者を搾取するテナルディエやおかみよりかは、可愛げのある『悪』。それゆえによりストレートに、自分自身を蝕む予感のある敵意ではありますが… うーんやっぱり憎めないなあ、エポ子。
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(2007春:新)「ゲゲゲの鬼太郎」

上顎の出っ張りを示す“ノ”な描線に原作リスペクトが感じられる。ディープな視点をライトな色使いで和らげる美術デザイン、あくまで調停者として人間と妖怪の中間にいる鬼太郎のつかみどころのなさとか、今回のシリーズコンセプトは好みかもしれない。しばらくは視続けるつもり。
怒った猫の剣呑さと普段の愛らしさの二面性が込められた猫娘は萌えキャラとして機能しそうだし、ねずみ男が小汚い(驚いた拍子に腿まで露出していたような。あの1m以内範囲に寄っただけでタムシが移りそうな不潔さが胆。ただし原作のインパクトはTV媒体では再現不可能)のもなかなか。一方アレンジがもっとも激しかったのは砂かけ婆ぁと子泣きじじい。あんたら付き合いの長い内縁の夫婦みたいやないですか。
ただ、初回から説教臭さがややあったのは少し不安要素かも。気弱な子にガキ大将ひっぱたかせるのは強引すぎる描写では。それと子供キャラでも「(いたずらで)ストレス解消だよ」ってさらりと言うのはいかにも時代風潮の反映って感じでしょうか。それはそれでいい方向に活かせそうだけど。
posted by 三和土 at 15:05| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする