2006年02月11日

ノエイン#17「マヨイ」

鉄オタである父が函館市電のシーンをちらりと見て「これは古い時代のアニメか」と口にしたのを受けた時に認識をあらたにしたのだけど、本作って現代の場面でもノスタルジーを強く意識した画面処理がされてますよね。画面処理というか演出傾向の統一かな? おそらくこれこそが赤根監督の持ち味の筆頭なんですよ。ぶっちゃけていえば“あなたも原田知世の「時をかける少女」にノックアウトされた世代ですね?”と、まあそういうことです。出渕裕氏やゆうきまさみ氏とかと同世代かな。

それは別として、今回のトビの台詞にてはっきりしたように時間軸上の「現在」はラクリマ時空の窮余の策として干渉を受けた結果の、カラスやフクロウが通過してきた「過去」とは限りなく近似値であるけれど異なる時空である(このあたりは卵が先か鶏が先か、でややこしい。深く考えると混乱する)、と。誰かの認識を受けた“過去”は、すでにして“実際の過去”とは違うものであるという繊細な視点が、物語の背後に透けて見えてくるようです。ひとが追憶にふける時、そこにあるのは“あらかじめ失われた過去”なんですね。ノスタルジーはその意味で二重に切ない。

まあ、一番言いたいことは、今回はコサギ、アマミク、アイ、ハルカといった女性キャラの描写が特によかったということなんだけど。女性脚本家(浅川美也氏)の本領発揮といった感じでしょうか。
posted by 三和土 at 03:16| Comment(0) | TrackBack(1) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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マヨイ
Excerpt: やっぱりこれだけは言いたいんですけど、 アトリのスタイリストを更迭したい!! もっとかわいい服を着させてあげたいんですけど、なんで斧??
Weblog: tune the rainbow
Tracked: 2006-02-15 14:46