やや現実離れした展開を、リアリティの籠った内面描写にてフォロー。こういうテイストのゴシックホラーめいた現代劇って、ふた昔ほど前の二時間ドラマ枠でけっこう見られたもんです。
名誉の大きさに比例して重圧もまたふくらんでいき、歪んだ想念は美へのアンビバレントな執着へと育っていく。芸術家も実に因業な人種なんかもしれんね。
ゆえに、一番不可解なのは息子の方なのかもしれない。母親の方はすくなくとも彼のように空ろではなかったし。追いつめられた状態ではまともな判断はむずかしいという、むなしいオチでしたよ。
…ほんとだ、はじめちゃん全然役に立ってないな(笑) THE傍観者。