「なんじゃこりゃぁああ!!!」「トウ!」
じりじりと性格俳優(そういえば性格声優という語彙は有効?)への転身をはかる三木眞一郎と、正調主人公街道まっしぐらの福山潤というせめぎ合いキャスティングにまずもってハラハラする。が、後半に進むと案外にストーリーと演出とのコンビネーションそのものに集中できてしまうあたり、やはりこの作品あなどれない。
能力を持った者が少数ながら確かに存在するという世界観があきらかになったわけで、かつあいの過去をほのめかすカットもふたつ登場した。やはり彼女の出自は戦国時代あたりっぽい。外的な要因は置いておいて、あいの内面にもまた地獄への水先案内人を務めなければならないそれなりに切実な理由があるようだ。
地獄少年くんの地獄に悶えるイメージが、ボスの絵画のような中世ヨーロッパ的悪夢の世界だったのが素晴らしかった。ぎりぎりのところで格調を保っているような気がする。けっこう良質な娯楽番組ですよね。