まず一つは。ノエインさんが苦悩の元となった想い人であるハルカにまで全否定されてしまって可哀想。救いなさすぎる。
もう一つは、ラストカットとかからすると、ハルカが男性として好きなのはユウというよりもやっぱりカラスの方じゃないんすか?
あ、もいっこあるな。ラクリマの人たち(特にアイやリリと同じ場にいた名も無き人々)は自分たちの運命に関して果たして納得できてたのかとか。(この点はコサギがヴァーチャル観測システムを壊してたことから、ラクリマ存続の可能性も有り?)
しかし、まあ、ね。そういったちょっとした数々の“曇り”。それら込みで
良い最終回だったな、と。
大人になるにしたがって、世の中には割り切れないことや理不尽なことがたくさん目についてくる。それでも、自分が大切に思うものさえ忘れないでおけば。見失わないでおけば、なんとかなる。そう信じることに希望があると。(あるいはそこにしか希望はないのかもしれないが)
思ってたよりかは、シビアな作品だったのかもしれない、このアニメは。だってあの直後、ハルカたちはあるいは自動車事故に遭うのかもしれない。もしかしたら遭わないですむけど、その数年後には不慮の出来事に見舞われるかもしれない。それでも、まあ進んでみようやと。それぐらいの勇気は持ちましょうと。あとノエインさんみたいに自分の殻に閉じこもって自家中毒思考症に陥ったら、誰も相手にしてくんなくなるよ〜と。
…うん、岸田隆宏デザインのデフォルメチックなキャラクターをアクロバティックなコンテで奔放に活かし、赤根監督の時に辛気くささスレスレの真正面メッセージ演出でベクトルを確定させる。企画の勝利ですね。重ねて、しみじみ味わい深い良い最終回でした。あっしもけっこうノエインさんみたいな拗ね性なとこあるけど、かわいそうなノエインみたいにならないように気をつけるよ…… せめてカラスたんどまりになるようにするよ…
ところで、内田ちゃんがヒロシ刑事さん(名前ど忘れしちゃったよ)を確定してあげる箇所は、一つの関係性成就と量子論設定補強を兼ねたさりげなく良く出来た演出だと思いました。