見えない不運を穴埋めしたら、見え過ぎる不幸がやってきた。未来が見えないことのやるせなさと、運命が読み解けることの虚しさ。どっちがいいとか悪いとか、ましだとかそういう問題ではないのかもしれない。要は“いかに事態を受容するか”その身ぶりそのものに重要性があるのであって。日本人という民族の(今はすっかり無くしてしまったかもしれない)美点をさりげなく提示してくれているからこそ、この作品には他にない癒しの雰囲気があるのだと思う。
視覚にまつわるエピソードだけあって、今回はめずらしく明るい感じの色彩設計でしたね。桃色の着物とか出たり。