スポット宣伝番組内にて制作会社のプロダクションI.Gとシリーズ構成(と原案?)担当の冲方一氏の紹介あり。後者関連情報としてGONZO制作の「マルドゥック・スクランブル」の映像もちらっと出たけど、おそらく既出のパイロットフィルムからの引用で、特に目を引くカットはなし。
本編の方はというと、OPは付いてなかったです。EDはアリ。WOWOWアニメの数少ない美点としてテーマ曲選出のセンスはまあまあ。センシティブながらそれなりに渋みもある良い歌だと思います。曲といえば、大島ミチル氏担当の荘厳かつ軽やかなBGMが良い感じでしたよ。作品の売り部分をきっちり理解していると思った。
オカルト部分が意外に浮いてなかったのが、堅実な印象でした。王妃自らいかにも怪しげな秘教にのめりこんでいるようであり、18世紀ならまだまだ魑魅魍魎だなあと。アクション部分の重量感とキレの良さも同じI.Gの「BLOOD+」よりも良い出来でした。その分エグさもそれなりに強いけど、有料放映ならそれもアリでしょう。アクションとは言わないちょっとした動きの演出意図の確かさ(けどそれみよがしでは全然ないんだよね)はさすがに古橋監督、という感じでグイグイ画面に引き付けられました。
王への忠誠心とキリスト教的信仰心という近代ヨーロッパ独自の“美徳”に関しても、王の庭である宮殿内にもそれらをないがしろにする者たちが目立つ中でそれでも『最後の騎士』として筋を通そうとする主人公の所属する秘密警察組織メンバーの結束の堅さを描写したシーンなどにて視聴者に共感させるフォローが入っていたし、なによりデオンとリアの近親相姦的にすらみえる瓜二つな姉弟の強い魂の結びつきが魅惑的。ポンパドゥール公爵夫人やルイ十五世といった脇キャラの存在感も出てたし、引きの強さは近年のWOWOWオリジナルアニメではピカイチだったと思います。8月中旬からの本放送が楽しみ。