露悪描写があるという先入観に身構えていたけれど、アンジェリカ捜査官を主要視点キャラとしている事で、わりかしニュートラルに劇中に入り込めました。このアニメのシリーズ構成の要は三つどもえ構造にあると見た。破天荒なミスター一味よりも、倫理的にぶっとんでいる十二姉妹関係、どちらをも追う立場にあるアンジェリカという体制側代表キャラ。危ういバランスではあるけど、制作側は十分に意識的に作ってると思いますわ私は。…それでもやはり後味の悪さは拭えないのだけど。決定的だったのはナイフ使いジューンが抵抗できなくなった後でも刑務所監視員をめった刺しにしてるロングカットね。反動で跳ねる体がなんともいえないリアルさ。あれをやってしまった点に関しては、高い作画力に淫してしまっている印象を拭えない。
「フタコイ オルタナティブ」しか通して見ていないのに言うのもなんだけど、ユーフォーテーブルという会社は現在オタク層の絶賛の対象となっている京都アニメーションとスタンスが似ている制作会社ですよね。それなのに手法傾向にけっこう反発されている向きがある。その理由の考察もまたできそうな番組でありますね、これは。自分たちもまたマニアである、という意識に関してのベクトル、露出具合… ちなみにどうでもいい話ですが私はたぶんユーフォーの方が好みに合う感じです。
ところで、このアニメのテーマ曲を歌ってるのはどこのカラオケ自慢な裏方さんですか? 曲自体の出来がもったいないとここまで感じられる歌い手にはめったに出会えないような…