2006年09月10日

シュヴァリエ#4「革命の信徒」

何が一番すばらしいって、名前の付いたキャラ全員に好感を持てる要素がある点。それを名付けるとすれば、やはり「信念」が最も近いでしょうか。あえて汚れ役を引き受けて新時代を渇望する第三身分(wikiでフランス革命勉強したところだったんで、さっそく出てきたこの単語にはニヤリ)出身のカロンにしても、ブルジョアジー家庭に生まれ女性には類い稀なインテリジェンスを身に付けて因習を超える未来図を空中に描くポンパドゥール夫人にしても、すくなくともそれぞれの希望についてだけは純粋。やり方はどうであれ。そういった描写を受けて、クライマックスでのデオンの逡巡があるのであり、オーソドックスとさえ言える演出傾向は実は往年のハウス名作劇場に通じるものがあるではと今回は感じました。

あと感心したのはさまよえる霊魂は大体が悲憤にかられている(から器として依り代となるのは供養でもある)ものだとする作品見解の早い時期での表明ね。しかもそれを年少者のロビンに言わせるところがまたグッとくる。それに耳を貸せるデオンにもね。剣をふるい、また時に姉の魂の器となって自我を一時的に放棄する名分を主人公キャラに呑み込ませつつある流れは、自然です。

しかし先生は急にキャラ変わってねーか(笑) ジョッキ飲み干した時の劇画調の目元の影笑った。
posted by 三和土 at 05:03| Comment(2) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 初めまして猫と申します。
 シュヴァリエを視聴し、その感想を皆様がどのように思っていらっしゃるかを知りたく色々な方々のサイトを拝見している折にこちらに伺わせて頂きました。
 今回、カロンが舞台を退場したわけですが、個人的にはべラニス達を惨殺した彼は、その悪行の割には何だかんだといって長くデオン達と戦う宿敵になるようなキャラのような気がしていましたので、今回であっさりと退場するのは特に残念とも思わなかったものです。
 しかし、そんな彼も国を、第三身分たる民を思う愛国の士であったところがこの作品の良さかと思います。
 またデオンがリアに変身(?)するシーンも何時もの悲憤に満ちたものでなく、立場は違え、国を憂う者への敬意とも言うべく、腕を切断した相手を必要以上に苦しめる事無く心臓を貫き静かに眺める様は、リアとデオンの精神が融合したように感じたものでした。
 第五話も期待です。
 感想頑張ってください。楽しみにしております。
Posted by 猫 at 2006年09月17日 02:52
猫さん、はじめまして。

「シュヴァリエ」は間接的な演出がわりと多いようなので、感想にも人によって微妙に差異があったりして面白いですよね。

カロンは秘密警察メンバーの惨殺の仕方からいっても、貴族階級やそれに仕える騎士たちへの憎悪のほどがうかがえました。その敵意とフランスへの愛国心の純粋さとのギャップが、違和感なく一つの人格として見せられているあたりに古橋監督の本気がほのみえるようです。

リアの愛国のあり方が、デオンが記憶に知る彼女のそれと死ぬまでにいかに変遷していったかがリアの殺害の鍵なような気がします。同時にデオンの騎士としての生き方も揺らいでいくような予感もします。
Posted by 三和土 at 2006年09月18日 12:41
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