で、今回はこれまでいまひとつ捉えどころのなかったナナの奈々への独占欲がノブとの会話の中で明らかになるお話。
タクミから引き離してノブとの仲をそれとなく持たせたのは、自分の手の内に奈々を置いておきたいため。
今回の描写により「もしかしたらこれは『女同士の変質しない友情はありえるか』がテーマの作品なんじゃないだろうか」とようやく理解できた気が。
けっこう前の回でミサトがナナにベタベタした時に奈々がぶんむくれたことがあったけれど、その分かりやすい単純さに比べて、ナナの独占欲はえらく陰にこもっている。今回は、中盤でノブの口から「ナナの事は女とは見れない」と述べられていたけど、つまり条件がたまたまあえば異性同士の友情もあるのではないかと事前にほのめかしておいて、その矯めの後にナナのノブへの思いもよらない述懐。少女漫画独特の繊細な心理描写が効果的に発揮された回だと思います。
人を信じやすすぎて自分の欲しいものがわからなくなりがちな奈々、その反対に人になかなか心を開けないことによってあるいは誤解されそうな方向に行動を持っていってしまうナナ。彼女らが理解しあえるかどうかの方が、たぶんそれぞれの恋愛模様よりもさらに中心にあるテーマなのかなと今回は目から鱗が落ちるようでした。