で、一言で述べれば面白かったけど、もう一歩踏み込みが足りないかなという箇所もいくつか。キャラクターの感情の流れが急に見えるのは惜しいし、最高潮の富姫変化からラストシーンまでの描写に美意識が足りてないなと感じたのも事実。それでも、名倉靖博氏のはかなげで美しいキャラクターを動かしていたのには感心したし、床の映り込みCGが巧かった背景美術も良かったし、忘れ神たちの人ならぬ挙作(侍女たちのデザインみんな好きだあ)もきちんと演出されてたし、人を喰うもののけということで適度にエグい表情があったのもホラーとして正しい。そしてなにより、白鷺城攻略をきっちりしっかり描いた点に感心。ちゃんと盛り上がりポイントできてたわけだから。しかし、侍の「こりゃあぁ勝てんわ」って台詞まわし、あれはギャグなの?
さて「四谷怪談」が『恋って病気の一種だよね』というテーマだとしたら、「天守物語」は『恋はやっぱり究極のわがままだよなあ』がテーマだと考えるわけですが、最終章の「化猫」ははたして。