後味がさっぱりしているといいますか、きちんと月の罪について一つの回答が出されていたのがポイント高い。法律を守るということは、先達の苦闘の道を尊重すること。それを無視することはひとりよがりにすぎない。…まあデスノートによる裁きが実際に社会情勢に安定を与えていたか、あるいはそれによる長期的影響への考察については答えは出ていないかもしれないけれど、劇中において月を断罪する役割を担った総一郎が(月に六法全書を贈った)父親であり(法制を守る責務を負う)警察官である設定により、その論破性の不完全さもフォローできていたかなと。Lが自分の生命を引換えにしたトリックを用いたのも、その一点において際どく月との間に境界線が引かれたという意味ではまずまずのアイディアかと。
あとミサと高田清美(片瀬那奈きれいだったー。特に脚!)の原作からの翻案ぶりが良い切れ味を見せていました。ミサが過去に家族を強盗に殺されているという具体的な描写を入れることで、よりキラ信者としての色合いが強まっていたし、高田を月との絡みからまったく切り離すことで“もうひとりの月”として社会正義から序々に歪んでいく過程がより構成上に意味を持っていた。
前編よりもさらに脚本が練られていたと思います。セット類もより予算が出ていたような気がするし。
しかしLが死んでしまったんじゃ、スピンオフ続編は過去エピソードになるんでしょうねー… まさか『ロサンゼルスBB連続殺人事件』?