2007年02月19日

シュヴァリエ#23「最愛なる--ゆえに」

アンナの運命をアバン部分で描いた潔い構成で、OPを見ている時点でかなり感極まった。今話と次週の最終話は第1話以来の冲方氏の脚本担当ということで「蒼穹のファフナー」の終盤のように、今回も情報量パンパンになるかなと覚悟を半分決めていたけど、わりとゆったりと場面同士の間合いが感じられるつくりになっていて、苦労せずとも引き込まれて楽しめました。ただ、残る謎であるマクシミリアンの正体と王家の詩との関係についてが気になってしょうがなかったという点も確かですが。

・アンナの死を嘆きつつも、騎士としての道に悩まざるを得なかったデオンの胸中には悼み入る。時代の奔流のただなかにいる時、悲しみに沈むことさえ許されない贅沢となる。

・棺に入った婚約者と涙の対面という古典的な愁嘆場をてらいなく正面から描ききることでちゃんと感動できる仕上がりになってました。首がすわってない亡骸の描写が重い…

・重傷の床に着いたブロリーに自ら足を運んで心配事を尋ねにいくルイは、孫のオーギュストと同じほどにいたいけにみえる。サン・ジェルマン伯爵とルイのキャラはちょっと変化の経緯が速すぎたかもなあ。ロビンに銃口を向けられてのあの怯えぶりはちょっと。

・しかしマクシミリアン、昔はやっぱり人格が別(笑) フランス人じゃないってどういう意味? 遠い星からやってきたとかか?(けっこうまじめにそう考えてますよ、私)

・リアの嘆き方すごいな。恋人が政治的にヤバくなったのは分かるとして、その場で崩れ折れて床に横たわって嗚咽とは。

・平民風の装いをしたロビンと騎士の姿のマクシミリアン、室内で向かい合い立つ。以前は反対の格好をしていた二人が、と思うと状況の変遷に思いを馳せてしまう。

さて、デオンは現世におけるほとんど全てを失ってしまったかのように思えるけど…最終話の決着を座して待ちます。
posted by 三和土 at 03:30| Comment(2) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 冲方氏の脚本だそうですが、悪い話ではないのですが妙に前回の腕演出が印象に残ったうえ謎解きと展開も妥当なものという事もあり、少し弱い感じを受けました。
 ただ、アンナの死をもったいぶる事無く初っ端から描いたのは三和土様の仰るように潔かったものと思われます。
 仄かに淡い想いを抱いていたであろうアンナ、そして恐らく奥底で母親のように思っていたマリーの二人を殺されて激怒したロビンに銃口を向けられたルイの
怯えぶりは先週と比べて確かに少し派手過ぎるかと私も思いますが、あれは恐らく我が子を庇うかのようにルイを守るマリーの霊魂(?)を見たロビンが、それによって彼の中の母親たるマリーは、所詮は自分の母親ではなかったと裏切られたような印象を抱いた事を視聴者に強く印象付ける為の演出だったようにも思えます。ロビンとブルボン王朝を繋いでいた最後の糸が切れたという。
 ルイは史実どおりに病の症状によって亡くなりそうですね。
 最終回。
 如何話を終わらせるのか、スタッフの皆様のお手前を拝見したく思います。

 ……あ! あのお方、三和土様の願いに応えて復活したようですね。ちょっと驚きでした。ある意味、史実?
Posted by 猫 at 2007年02月20日 22:50
冲方氏のシナリオはアニメファンの間ではかなり評判が高いのですが、個人的には台詞に頼り過ぎているという小説家らしい弱点もあるように見受けられます。でも、本作では他脚本家とのコンビネーションがまずまず巧くいった功が奏して、ゆったりとした間合いがあるように思いました。

ロビンの王妃からの“乳離れ”あるいは決定的な離別。今回も猫さんから重要な手ほどきをいただきました。本作、やはり一度の視聴では見逃してしまう含みが多いタイプのアニメのようです。しかし四銃士の全員の運命がここまでつらいものになるとは… 逝った者も遺った者も。惨いの一言ですね。気が付けば、前途洋々な人物が誰ひとりいない。シビアな作風です。

サン・ジェルマン伯爵はやはりああでなくっちゃ勿体ないですよね(笑) 史実にのこるキャラに虚構が負けちゃやっぱり駄目ですー
Posted by 三和土 at 2007年02月21日 01:11
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