2007年02月27日

コゼット#8「お母さんのスカート」

ファンティーヌ、とうとう最下層民に。そして人が変わってしまう。カテジナ@Vガン以上の変貌ぶりにびっくりですよ。特に人相をあそこまで変えてくるとは思わなんだ。しかも急な展開(売春婦に堕ちる展開を避けるゆえの策にも感じられてしまったりもするが。でもスリにあって神経ブチキレ臨界点突破という代替アイデアはなかなか説得力ありました)ですからねー ちょっとした、いやかなりのトラウマ回ですわ。これ子供よりも大人にきつそうだなあ。楚々とした大人しい女性でも、ある程度まで世間に見放されてしまうと鬼婆のごとく取り乱した様子になってしまうというのは、決してごく稀な例でもないと思うので。生々しくリアルだよ。

本作は分かりやすい悪役を出さない方針と見受けるのですが、ファンティーヌが工場をクビになる原因を作った女工仲間が「身から出た錆とはいえ哀れよねえ」とかいって複雑な顔してみせてたのにはちとポカーンとしましたが、川べり暮らしの人々が若いファンティーヌに相当あたたかく接しているのに彼女はそれすらも無下にしてしまうという描写の方は、非常にやるせなかった。あまりにも不器用すぎる。不幸スパイラル体質すぎる。しかし居るんだよ。そういう人間は確かに、いるのですよ…

さてコゼットの方はというと、母親に捨てられたのだと軽口を叩いたテナルディエにつかみかかって周囲を驚かせたりと、母親と似た意外な感情面の激しさがあらわに。原作を知っている者には、ここがひそかな感動ポイント。善しにつけ悪しきにつけ、濃い情をもって生まれた母と娘。後者が紆余曲折の後に幸せをつかむことで、前者が味わった地上の辛酸を反故とする。世の中悪いことだけじゃないからねえ、という作り手のメッセージが、はやくも届いているようなそんな1クール後半なのであります。しかし予告コントの浮きっぷりが今週はすごかったなー あれはこう言っちゃなんだけどやっぱりオタクアニメくさいわ。

posted by 三和土 at 03:12| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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