2007年04月15日

東京魔人學園#13「外法の谷」

街の治安を大きく乱し、なおかつ人を殺している敵役キャラを主人公が「救いたい」とした場合、オチをどうつけるかはおそらく多くの制作者が悩むところと思われる。本作の場合はまずは親友を直接に手に掛けられている雨紋に左手を切断させて攻撃力を決定的に奪い、その後で温情主人公により“ちょっとしたカウンセリングただしパンチあり”が。ああ、これってメタルジャックだわ。当時はケンがトロイダルにした仕打ちはちょっちゆるせないと思った節が自分にはあったけど、あれはあれで交流の一つの形だった…のかも。ズレた。

今回のポイントは龍麻、葵、九角というそれぞれに孤独に耐えてきた三者の心の流れを描いた演出。やはり相当にストレートなドラマツルギーが為されている。孤独の苦しみゆえに心を打ち捨てた九角、ぎりぎりの一線で自分を取り戻した葵、そして孤独をよく知りながらも他人の苦しみに自然に共感できる龍麻。三者ともに苦しんできたことが描写されてきたわけですが、龍麻にはトラウマの影は薄いように思われた。そこへ比良坂紗夜のエピソードを配したことで、龍麻が葵を助け出し九角の感情を正面から受け取める準備が出来上がったというわけで。なかなかシリーズ構成が成功しているのではないかと。思いのほか、素直な青春アクション伝奇アニメだったのねえ。

もうね、九角の中二病っぷりが最高でしたよ。幼女マリィの前で「かあさま」とか口走って平気な顔しとるし。マザコン由来で固着したトラウマってやはり最凶だわ。次回は黒幕である柳生(けっこう爺様。というかあの顔は前に見たような?)が龍麻たちの前に出てきて1stシーズン終幕というところでしょうか。

作画は好調。色んなアクションを堪能しましたが、ベストショットは雷術使いの仙杖を足技でひねり取る如月。というか全体的にいつまでもヘタレ臭が抜けない如月。
posted by 三和土 at 00:49| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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