というか良い大岡裁きでした(笑) 「司祭の刑期は今日で終わったことにしてはどうでしょうか」って陪審側に言われたからって「それでOK!」みたいに裁判官が返して、手続き上は問題ないのかなあ。書面上は有罪、実質無罪って事になるけど、一応は執行猶予みたいな形を取るんだろうか。
被告と弁護人の絆の成立でカバーされたために視聴中では気にはならなかったけど、あえて引いた視点でみてみると、特定の宗教色に引きずられた形で結審したのには腑に落ちない印象がある(エミリーの手紙が自筆だと証明されたとしても、彼女自身が宗教的ヒステリーに落ちてたらあんまり意味ないしなあ)。でもそれを置いておけば、オカルトホラーと法廷サスペンスの融合ものとしてなかなか楽しめました。エミリーの学内シーンで顕著だけど、照明を常に低めにして中世的な雰囲気を装っている画面づくりもさりげなくて良かった。
悪魔憑きって恐ろしいなあと色んなレイヤーにてしみじみ思わされるし。本人も苦しいけど周囲も大変すぎる。エミリーはよい家族やボーイフレンドに恵まれてたな。それにしても、女優はどうやってあの形相をつくったんだ…
しかし冷静に考えて本当にぞっとすべきは、合理性に長けているとされる欧米圏においてもオカルトが日常に浸食される場合もあると知らされる(本作は実話が元になっているとクレジットあり)事ですね。かえって、日本とか仏教圏の方がキリスト教圏よりも“霊障”件数は少ないのかも。宗教特性からいって。