マンキンは、初めて全巻集めようと決めたジャンプ漫画、4半世紀読み続けたジャンプの中で、初めて主体的に愛好した作品でした。
さて物語が中途で投げ出されたことに、誰にやるせない気持ちをぶつけたら良いのだろう。
編集部。しかしセンターカラーの扉絵を充てられた事から考えて、そう無下な扱いをこの作品に与えていたとも思えない。アンケート不人気となった中堅連載への待遇としては標準的なものだろう。むしろ、こんな無軌道な漫画をよく6年間も載せ続けてくれたものだと武井信者気味な私でも思う。
ではアンケートに票を入れてくれなかった一般読者。そもそも私自身がほんの一ヶ月ほどを除いて投函していなかった。それに、ある程度の好事家でない限りは、ぶっちゃけて言えばあんな本筋(ハオよりもまず葉の方こそ救われるべき存在では。虚無具合では後者の方が上回っている気がする)やテーマ(初期の「どろろ」チックなドラマツルギーが、今となっては本当になつかしい…)がグダグダになった長期連載を楽しむことはほとんどないだろう。
それなら当然、作者の武井宏之自身。まあ、ふざけるなと呟きたい気持ちが私の中にないでもない。けどね、今週だって
ライハイトと輝子のうっとりツーショットに笑ってしまったし、
最終ページの隙のない構図とキャラクターの愛らしさに見とれたし、
それに(よくよく考えればどうも意味不明な)アンナのもっともらしいテーマをダブらせての状況説明に納得してしまったもの。
それら全てが、中身のないスカスカなハリボテ。もういっそ認めてしまおうと思う。せめてもの機会に。
武井作品は、独自性の強いキャラクター造形と瞬間的に見映えのよいハッタリ構図と雰囲気のある演出との小間切れモザイクだけが魅力の、漫画の一般基準としては決して高い評価を与えられる代物ではありません。
けどね、私はこれからも武井作品を読み続けたいと強く思う。そしてほんとうにいつか、マンキンが再開されることを切望してしまっている。結局このことこそが本音中の本音。救われない信者魂っすね。
おつかれさまでした、武井宏之先生。
ありがとうございました、ジャンプ編集部。
あ、ジャンプは来週からも買うんですけどね。今週も面白かったし。
では新連載感想の他、面白かったものの感想を順番に。
新連載WaqWaq(藤崎竜):(正しいタイトル表記はaの上に横棒有り)この人もまた鮮烈な作風を持った人で、特にカラー絵の透明感は少女漫画界での横綱を高河ゆん氏であるとすれば少年漫画では藤崎氏だと思う。ストーリーはそれなりにドロドロしている点がさらに絵柄の淡白さを引き立てて相乗効果を挙げているという特色も共通してると思うし。閑話休題。ネームの感触がこれまでの藤崎作品よりも一般寄りになっているのが個人的に読みやすい。父親のアーマー(正式名称失念中)を引き継いだ主人公の決め台詞のコマに自然と目が引き寄せられる、構成の巧さも安定感がある。若い漫画家なのになんだろこの上手さ…
ジャガー:久しぶりにプスプス笑った。ロボットの顔が浮き出てたところが最高潮。ジャガーさんのピヨひこいじりは(友)愛が感じられて好きだ。
D.Gray-man:グランギニョル的な可憐さというか。グゾルとララのエピソードで一気に星野先生に好感を持つようになりました。こういう感じでこれからも連載してほしい。
デスノ:急展開のため、一読だけではついて行けない密度に。とにかく先週からのテンパッた総一郎さまが面白すぎ。それだけで満点。レムが接触した新しいノートの持ち主(左利きの模様)は誰なのだろう。自宅の門構えの印象は、代議士とか企業トップっぽいけど。
銀魂:テレビショッピングネタがすごいツボる。神楽が目立ったのも新鮮。定春はいつのまにか忠犬になったなあ。
リボーン:京子の硬派なボクシング部所属の兄の登場によって振り子は一気に男子読者寄りへ大きく。バランス感覚絶妙な作者ですね。今週のごっきゅんと山本は解説役的背景キャラ度が高くて萌え傾向新機軸(笑)。さらっと描き流されたごっきゅんもラウ゛リー!
アイシル:ブルマうんぬんで叫ぶ脇役のコマは、初めて本作で面白いギャグを見たと思いました。実際。
マンキン、単行本で丸々描きおろし5巻分決定!とかそういう前向きな情報出てこないかなあ。それとも本当にぴんぽ(ry