2005年07月26日

「フイチンさん」('03/監督:湖山禎崇、制作:あにまる屋)

NHK-BS2の「夏休みアニメ劇場」にて視聴。戦前の満州が舞台ということで国際都市ハルピンの魅力が圧倒的。色彩設計も大陸のほこりっぽい風を感じさせるちょっと煤けた淡さで統一されていて、簡素化されたデッサンと合わせてどことなく中国産アニメの空気に似ていたのが面白かったなー 主要キャラクターは中国人ばかりの設定だけど、製作はれっきとした日本主体なんだよね(動画で中国の『火鳥動画』がクレジット)。

教育映画の要素を視野に入れた筋立てが本当に前向きで、後味さわやかこの上なし。夏休みの午前中に観るにはぴったりの、きれいで楽しいアニメ映画でした。主演がエリシャ@Vガンの柳沢三千代さんだったのも個人的に高ポイント。この人の声、やっぱり姉っぽいキャラにぴったりだー

紹介サイトへのリンク。

ところでEDクレジットのバックイラストに用いられていた原作者の上田トシコさんの絵のセンスの良さに魅せられた。長谷川町子御大の絵柄をさらにエッジ化したようなというか。
posted by 三和土 at 17:38| Comment(2) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めて書き込ませていただきます。
原作者の上田トシコ先生には以前に偶然お会いしてお話を伺った事があります。
本当に高潔な人格の方でした、「フイチンさん」のアニメはご本人も気に入っているとの事で、アニメをみた中国の方が「良かった」言われたのが何より嬉しかったと言われていました。
Posted by 流転 at 2005年07月26日 21:55
>流転さん

コメントありがとうございます。
上田トシコ氏の経歴をエントリ内でリンクしたサイトではじめて知りましたが、有名な満州鉄道に勤めておられたりと劇的な歴史の渦中を経験された方のようで、ほのぼのと心温まる描線がなおいっそう深みを伴ってみえてくるように思えました。

この度のコメント投稿では、貴重なお話をありがとうございました。大変興味深く読ませていただきました。

>アニメをみた中国の方が「良かった」言われたのが何より嬉しかったと言われていました。

前述サイト上で紹介されていた観賞者感想の箇所で、実際にハルピンを知っておられると思しき80代女性も街並の再現性をほめておられましたね。色んな観賞層にアピールできる上質の作品だったとあらためて感じました。
Posted by 三和土 at 2005年07月27日 04:08
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