…で、何度も様々なアプローチで映像化されてる漫画なわけですが、以前に見たOVAシリーズ版は特撮ヒーロー番組テイストだった印象がある(なんせOPテーマ曲の歌詞中に『ガイバー!』って入ってましたからね)んだけど、今回のWOWOW版では逃亡者の焦燥感が演出の出発点(ちなみに原作の導入部との違いについては覚えていないので比較できず)。これは初回のみの視聴の時点では鬱々としてちょっと嫌だなあと思いましたが、しかしそもそも晶たちは常に追われる存在なんですよね。いつも不安を胸に抱いたまま逃げて、戦って、嘆いて、すこしだけ立ち直る。ふつうの地味な高校生たちがいきなりかりそめの平和な日常を破られて右往左往するお話。その弱々しさと殖装時のハイスペックぶりとのギャップが、この長命タイトルの特徴的なカタルシスの源なわけで。
まあ、ネット上での評判は芳しくもない(というかそもそも見ている人自体少ないらしく)んだけど、私はどうも好みです。EDがボニーピンクなのも最高ですよ。曲名とサビ歌詞が『Cotton Candy』!! ガイバーのEDがわたあめ! しかも曲調や歌詞世界がなんとなく番組イメージに合ってなくもない。さすが「るろうに剣心」のEDで『Heaven's Kitchen』(追記:『It's gonna rain!』と勘違いしてました。すいません。) とかましてくれた人なだけはあります。(しかしるろ剣アニメ版歴代曲の中ではむしろマッチしていた方に分類される罠)
あーでも第一話単体でいえば、有名な発端エピソードであるだけにやや退屈でした。作画(背景は特にもっと力入れてほしー)やコンテも凡庸だったし。退屈すぎて思わず「むしろ哲郎さんの方に寄生すればいいのに」と思った。だってあの時パッと逃げなかったの哲郎さんのせいじゃん。初めて気付いた。