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京極夏彦 前文、多田克己,久保田一洋 編/国書刊行会 刊
当世売れっ子小説家である京極氏は編集全般ではなく(企画立案には関わっているのではないかとは文面より推察される)まえがき部分のみ担当。とはいえ浮世絵や江戸文化とも関係が深く、かつてグラフィックデザイナーでもあった氏の名前をこの画集に冠したことは商業的にも非常に正解だと思う。
海を渡った作品がヨーロッパの画家に影響を与えた芸術家という北斎への決まり文句に対して、しかし北斎はなにより庶民の欲求に正直にこたえた職人画家であったという京極氏の持論に沿って、時にグロテスクな描写法、時にスペクタクルな画面構成で表現される北斎の筆になる豊富な怪異ものを素人にも分かりやすい解題を付けて編まれた画集。他の特集ではあまり目にすることがなかった読本挿絵の章が特に印象的だった。それにしても北斎は仕事量の多い絵師だったのだなあ。(でもそれは浮世絵師一般の特徴か)
2004年10月14日
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