えーと登場人物が布石なく心変わりしたり、あきらかに物理的にムリな描写が気になったり、そもそもストーリーの流れがもたつき気味(前半ちょっと眠かった。色調ずっと暗いし)だったりと脚本がずさんだなあと感じたけれど、見終わった後にはそれなりに楽しい満足感が。弟(ジェイクは実際には兄の名前らしいけど)がオタク気質でいいんですよ。とてもかわいい。
実際的で行動派な兄と空想的で思考型な弟が、性格の違いや共有する過去のトラウマについて時に対峙しつつも、結局はお互いに補いあって一つの目的を果たして愛する女の村をすくう。そんなゴーストバスターズなグリム兄弟。童話モチーフがぽろりぽろりと使われているのと、田楽マン@ボーボボにシルエットが似ているグロキモカワイイ「ジンジャー・ブレッド・マン」のなんともいえない動きやメタモルフォーゼ、あと金色の短髪がむちゃキュートなボーイッシュ少女サシャなどなど。見どころはかなり多い映画ですね。うん、やっぱり面白かった。
赤いドレスを着てオオカミの皮をかぶった美女が想い人の窮地をすくったり、反対に今度は男が女の呪いの眠りを解こうと心のこもった接吻を贈る。原典を反転させたかのような、ジェンダー解釈の皮肉な捻り方なんかも興味深かった。(追記:ふと思い出したけど「眠り姫」はまんま男から女へのキスでした。「かえると王女」の方を念頭に置いてしまっていたので、ちょっと勘違い気味でした。かえるといえばヒキガエルを舐めるシーンも面白かったなあー)