2005年11月17日

BLACK CAT#6「狙われる猫」

OPにて番組タイトルが出る箇所の、疾走する猫のアニメートが大好きなんですよ。獅子でもなく虎でもなく豹でもない、飄々として楽しそうで、それでいてつかみどころなく素早いあの愛らしい生き物の動き方や重量感がよく表現されている。時に間抜けに見えてもいいから、ただ自由を欲する“猫”でありたいと願いはじめるトレインの心をきっちりとスタッフは理解しているなと思わせられる本作、歴代ジャンプアニメの中で完成度ランキング上位を狙えそうな予感は止みません。

シキの蟲攻撃の各シーンの動きやコンテは文句なくお見事。パースの効かせ方が巧みでした。セフィリア(そこでビル外壁に明王像を!…強く願いながら視てたのに彫ってくれなかった…)とトレイン戦はやや動画数が少ない印象を受けたけど、セフィリア姐さんのいたいけな過去カットバックが物足りなさを救ってた。評価に悩むのはクリード(一体いつごろから彼の脳内ではトレインが『相棒』になってたのか…恐ろしす)によるサヤの殺害の経緯。原作ではたしかもっと動的な演出だった記憶があるので、おのずと本作においても街を駆け回っての攻防戦を期待してしまっていたのですが、短い尺でまとめられていて少々拍子抜け。…原作と比較しようとしなければ、トレインがのちに“おそらくこういう感じでサヤはクリードに接しただろう”と想像した他者視点による描写とも見ることができてそれはそれで-トレインがその場にいることができなかった悔恨を表していて-効果的ではあると認められるけれど、私の中では原作でのサヤ死亡回は例外的に印象に残っていたので… まったく原作付きアニメを見るのもなかなか難しいもんですわ。

トレインの性格が徐々に無邪気な面を見せつつあるという描写はわりとなめらかに描写されていたと思う。そんで、その一時の無防備さを避けられない変貌の過程においてもっとも大事なものを護ることができなかったという悲劇性も同時に高めてあるのは、これまた巧いの一言でしょう。
posted by 三和土 at 03:45| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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