2007年05月16日

「エミリー・ローズ」('05 米/監督:スコット・デリクソン)

少女の死因は悪魔憑きか精神疾患か?

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2007年02月17日

「フライトプラン」('05 米/監督:ロベルト・シュヴェンケ)

WOWOWで視聴。飛行機を密室犯罪の舞台としたアイデアが売りということで、そもそも犯罪なのかそれとも妄想なのか--という精神病理学要素も取り込んである(中東系乗客に他から疑念の目が向けられるという9.11以降の飛行機神経症といった描写もあり)あたりはいいかもと思ったけど、以下、続きを読む
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2007年02月03日

「パプリカ」('06/監督:今敏)

ジャンルは…サスペンスでもありスラップスティックでもあり、ラブストーリーでもあり、メタフィクションでもある?

今監督の作品はどこか設計図がほの見えてしまうというか、構成する諸要素がカッチリまとまりすぎている印象があっていまひとつ私は入り込むことができなかったんですが、本作はうれしい例外となりました。いい具合に複数人のディスカッション効果が出ている感触。特に脚本を連名担当してる水上清資氏のくだけた持ち味が大きいと思う。たぶん。

まずキャストの話からすると、アムロ…アムロなのかい? と思わず脳内でつぶやく時田役の古谷徹氏が新境地といった感じ。稚気の残った愛すべきキャラを活かすには、あの若々しい声質が大正解。ヒロイン役の林原めぐみ氏も同様で、天性の媚びと自然な知性を両立させてる演技力のために(対照的かつ背中合わせの存在である)パプリカも敦子も同じぐらい魅力的に立たせている。そして「千年女優」でも二枚目役を堂々と張っていた山寺宏一氏の演技は本作でもセクシーでした。人格の矮小さを虚勢で隠してるような小山内というキャラクターの等身大がよく浮き出てたと思う。

個々人の無意識が投影される「夢」がモチーフの作品だけにストーリーの流れを追うのが少々つらい部分もあり、テーマ的な理解には時間がかかりますね。私は二日ほど経って、ようやくクライマックスの対峙の意味が分かった気がした。自分の意識下の欲求を真正面から受け止めた敦子が状況の主導権を握ることで事態を収拾したと。「夢」の力を過信も矮小化も神格化もするなかれ。それがピンとくるまで、「いまのご時勢にこのリアルな幼女裸体はけっこうギリギリだよな」という部分ばっかり気になってた(笑) あとラストシーンもあっさりしすぎだと当初は感じたけど、あれもパプリカが日常的に患者たちをさりげなく導いて救っているという事を洒脱に見せているのかなと今は解釈しています。

アニメート部分については良くない部分がないから、かえって言うことがありません。有り体なこと言えば、パプリカの軽やかな動きが目に焼き付きました。とか。
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2007年01月04日

「マーキュリー・ライジング」('98 米/監督:ハロルド・ベッカー )

年始特別放送で、おっそい時間に民放でやってたのでついつい観てしまった。自閉症の子供が思わぬ才能を発揮して国家機密のコーディングを解明しちゃってわるい背広組(アレック・ボールドウィンがいかにもな嫌みさで良かった)に命ねらわれる映画。しかしブルース・ウィリスの吹き替えってやけに芝居がかってるなあ。この映画、設定は大味な感じしたけどキャラクター描写が丁寧で引き付けられました。少年の両親や情報技師レオとめがねっこ彼女の平凡な二組のカップルの情愛が特に印象に残る。
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2006年12月08日

「デスノート the Last name」('06/監督:金子修介)

先月オープンしたばかりの駅横ビル「金沢フォーラス」内のイオンシネマで観てきました。シートから新車の内装みたいな匂いがした。

以下「続きを読む」仕様で
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2006年12月04日

「コンスタンティン」('05 米/監督:フランシス・ローレンス)

続編製作決定の報が流れたばかりの偶然ですが、WOWOWにて視聴。

アメコミ原作のオカルトミステリー・アクションだけど、登場人物全員にいわゆる眼力が感じられるように撮っているのがすばらしいです。特に印象が強烈だったのは劇中で『ハーフ・ブリード』と呼ばれる存在の半天使であるガブリエル(聖書の大天使の分身?)と半悪魔であるバルサザール(こちらは聖書の東方三博士から名前のみの拝借かと)。前者の清らかすぎて紛い物にみえる美しさと後者の幼さと老練の入り混じったようなセクシーさは、まさしく俗的な天使と悪魔のイメージ。あとは美術セットがほどよくクラシカルだったのも良い印象でした。全体的に、ポップさとシックさとのバランス抑制が効いている。

脚本面も演出やヴィジュアル構築と同じくらい満足度高かったですけどね。ヒロインのアンジェラが命を賭して双子の妹の魂を救いたいと思う動機の発露や、コンスタンティンが乾坤一擲の決断を下した結果も納得のゆく展開になっているし。ラストシーン(エンディングクレジットの前後に二種ある仕様)のベタに流れない寸止め感も、いかにもPV出身の監督らしい粋さでした。
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2006年06月28日

「デスノート」('06/監督:金子修介)

EDクレジット途中で席を立つ客が多かったなあ。後編が公開決まってるのだから予告が最後にあると分かりそうなものだけど。…まあ闇に浮かぶリンゴ映像とリューク(『特別出演:中村獅童』ってのは変だ(笑) 『特別出演(声)』とかなら。)のナレーションと後編タイトル発表しかないのも事実だけど。

最近の邦画にありがちな事だけど、全体的に造りが安い。TVドラマスペシャルならまあ上等だよねという感触(まあレディースデー1000円で観てるんで別に不満はないけど)。

オリジナルキャラクターである秋野詩織(香椎由宇がうっとりするほど美しい。目に意志が感じられるのが良いです)に、きっちり役割を振っていたのには感心しました。原作を踏襲した部分とオリジナル部分が半々なぐらいに構成されているのですが、そもそも月自身のキャラクターも少々変えてある(原作よりかは人間味があるというか他人への本質的な興味は持っているように思える)から、適度な脚色を付け加えたのは成功だと思います。それと間口の広さを意識しているという意味で好感を持ったのは、月お得意の先読み作戦の順序が分かりやすいように描写が終止していたことですね。…でも、『誤算だった』の意味が計算通りに進んでいたように見えただけによく分からなかったけど。ともあれ後編も楽しみ。Lも夜神父もわりとイメージ通りだったし。ミサミサは声がもうちょっと高めだったらバッチリだったんだけど。

先日、TVで宣伝として特別に冒頭12分が放映されたというけど、シブタク(痩せ型に変身)が死ぬところまでかしらん。ところでFBI捜査員の人らの演技がけっこう大根に録られてて笑いそうになった。もうちょっと重みのある演出ができなかったものか。あと群馬県には、パルテノン風味なかっこいい建築の美術館があるみたいですね(EDクレジットのロケ地部分に出てた)。
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2006年05月04日

「ザ・リング」('02米/監督:ゴア・ヴァービンスキー)

おおまかな流れこそはリメイク元である日本版に沿っているけれど、サマラ(日本版での貞子にあたる登場人物名)の出自は大幅にアレンジされており、比較目的以外でも予想以上に楽しめました。キャスティングは日本版より完成度高かったかも。今思うに、松島菜々子はホラーの主演としてはおっとりしすぎているんじゃないかな…

ところどころにやたらスペクタクルな見せ場(ナオミ・ワッツのリアクションがまた騒がしい(笑))が挟まっていることを度外視すれば、アメリカのメジャー資本映画にしてはしっとりした方の雰囲気に仕上がってるし、そしてリメイク元へのリスペクトもきちんと感じられました。

ただ、ぞくっとするのはやはり日本版の方が圧倒的。呪いのビデオの映像にしても、ロジカルすぎるんだよね。こちらは。あと“犠牲者が最期に浮かべるおそろしい死に顔”をあきらかに造り過ぎてる(笑)

呪いが伝播することに加担する形となった親子が交わすダイアローグは印象に残りました。ただ、その意味するところをより明らかにするためには、サマラや養母のアンナが村人たちから受けた心理プレッシャーの描写が足りてなかったのもまた事実。
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2006年04月04日

「デビルマン」('04/監督:那須博之)

かつてネットを席巻した駄作評の嵐とは裏腹に、私はそんなひどい作品とは思わなかったすよ。

漫画史上に残る名作(ここがある意味最大のネックというかレスポンス上の地雷だった)をアイドル映画(主演の伊崎央登って俳優は上半身のボディラインが美しいな)の枠に嵌め込み、さらに現代風潮への警鐘を込めた演出(特に牧村氏の職場-農業試験場というのが地に足着いてていい-でのデーモン狩り描写なんて秀逸だと思うけど)を施して、と。まあ邦画のひとつの典型製作スタイルとして、そんなにまで破綻しているとは感じなかったなあ。でも確かに「サタンだからな」だけは笑ってしまったけどね

陰惨極まる展開のあとで、少女たちの信念と決意を明確に見せたのちに新世界に残された希望を打ちだしたラストなんて、正直感動させられた。娯楽作品としてわりとまっとうな出来… とあえて言ってしまう自分の判官びいきぶりは分かってるつもりなんで、言い切るのは微妙な心持ちですが(笑)

まあ、ネット上での悪評は置いておいて、ご自分の目でいちど確かめてみるのも一興かと。
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2006年03月16日

「機動戦士ZガンダムIII -星の鼓動は愛-」('06/監督:富野由悠季)

私はこのブログ上にて第一部を『グラマラス』と評しました。それにならって第二部をあえて『センシティヴ』とするならば、第三部は『エモーショナル』。ずばりこれです。

そんなわけで、エゥーゴの面々(と彼らに感化された人)が繰り広げる“理屈を超えた情愛”劇の数々に目が潤むこと複数。特にヘンケン艦長と「ラーディッシュ」クルーたちの決断にはね… もうバカじゃないのかなと。その場にノれたブリッジメンバーはまだいいよ。でもそこにいない乗組員たちは頭にくると思うぞ? でもね感動した。「撃墜されるのに!」と目をみはっていたエマ中尉のあふれんばかりの複雑な想いにあっさり共感させられてしまう。サラ(キャスト交代かー でも確かに正直今回の人の方がいいね)の都合のよすぎる女の子のキモチ論理にしてもね。ああ、そういう感情のブレってあるよねと。惚れはせずともそこまで想われればなんらかの親切は返したくなる。それがサラなりの女の義侠心。…そう考えてるとそういう感情の表現すらできなかったレコアさんがなんだか可哀想だー

レコアさんといえば、そういえば彼女の顔の骨格ってカミーユのおっかさんにちょっと似てるよね。第一部で捕虜となったレコアを救うことで母親の死を目撃したトラウマをとりあえず乗り越えたカミーユは、第三部でそのレコアを失い、ファという恋人を得ることでいよいよ少年期を終えることが完了されたような気がする。“父殺し”ならぬ“母殺し”の物語だったのかもしれない。

以下、思い付く限りに萌えポイント。

・第一部では明確で、第二部でさらにTV版に寄らせて大きく絵柄調整がなされた新規カット部分、今回は実にその差異が目立たない。すごいね。
・ハマーン様ほせぇぇぇ!! 新規カット、この人の部分多いよね。
・クワダン衛兵はそろって脇あますぎ。儀礼的すぎるんですかね、あの艦の雰囲気。でも終盤でハマーンの指示を聞こうと周囲に集まる姿には、彼女のカリスマ性とともになにやらあの集団に流れるアットホームなものを感じた。
・ケーキをねだる大尉たんと素で返事するファ。
・ブラックジョークを口にするジャミトフ。オヤジギャグなような回避してるような微妙なセンスだぜ!
・あいかわらずひとりで反抗的生徒気分のカツと彼さえ抱え込むかのような最強保母さんファの包容力。
・シロッコの島田敏さんの演技は今回でようやく違和感が消えてTV版当時と同じハマり具合に聞こえました。
・リアルおこちゃま声となったミネバ様、バイオリンお稽古時が一番あどけなくて可愛かった。あの子、成人した後はどうなったんでしょうね。
・バスクの女の趣味はおふくろさん的ふっくら女性。おっとりした感じ。
・「お調子者が…!!」「一瞬気絶してました」あやうく場違いに笑い出しかかった。クサさギリギリの極限芝居を見せた後でのこういった中和させるかのようなギャグスレスレ台詞がよく入ったような。
・メカ描写では、カツを追ってアクシズ側に潜入したカミーユがZガンダムで逃げるときのフォームチェンジが一番印象に残りました。
・セイラさんが出たことよりもフラウとベルがアムロを挟んで同じ場にいたことに驚いた。あとキッカの台詞はあとからじわじわ効いてくる。
・ミライさんが地域住民に無視される、なぜここで入るかタイミングをつかみかねる連邦忌避の描写。そういう渋いの大好き。

・入ってる! 入ってないけどこれは入ってるんでしょ!!!

そして最後に美味しいところをもっていくのがサエグサ・オンステージというこの驚愕。

派手な戦闘描写/ややあざとくすら感じられるエロティック風味/全体の味をととのえる適度なコミカル会話劇 と劇場作品に一般的に求められる要素がすべて入っている快作でありました。いやほんと。気持ち良く映画館を出ることができました。

ところで、精神崩壊しなかったカミーユとともに、カツもまたTV版とくらべて“救済”されてますよね。そこにすごく感銘を受けてました。だってあの困ったちゃんが、エゥーゴのみなさんに強いインパクトを与え(て戦局を大きく変化させ)るんですよ。なんて優しいメンバーなんだろな、あの人たち。
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2006年03月15日

「オペラ座の怪人」('04 米、英/監督:ジョエル・シュマッカー)

WOWOWにて視聴。ファントムってものすごく可哀想な、近代ヨーロッパにおける後進性の犠牲者なんですね… もっと超然とした存在かと思ってたから意外でした。彼を匿ったメグの母親はすごくいい人で感心したけど、彼の天性の芸術性をその前に知る機会があったという設定を作った方がよかったかもしれない。ファントムには芸術の美しか信じられるものがなく、見初めたクリスティーヌにも同じように閉塞した世界でともに暮らしてほしかった。で、クリスティーヌにしてもその願いに共感するきらいもなきにしもあらず、なんだよね。でもつまるところ結局は美貌と富と権力と人望(どんだけ持ってんだよ子爵様ww)の揃った幼なじみと陽光の下を生きることを選ぶ。というかもっとあからさまに言えばファントムの異形に腰が引けてしまう。…無理もないっちゃあないけど、しかしきつい話だよなー哀しい話だよなー。救いが、あるんだかないんだか分からないラストも切ないよ。

そういった世知辛い“真実”とオペラ座の絢爛さが象徴する“虚構”の相対、版画を思わせる処理のモノクロ画像部分の19世紀という現在パートの寂れ具合と総天然色で活き活きと撮られる18世紀の過去パートにおける魅惑的なノスタルジーの対比。けれん味と渋みがきちんと両立されているあたりはさすがシュマッカー監督。条件反射的な反応を狙って作られてるありがちなハリウッド映画とは一味ちがいます。

…でもできれば2時間弱ぐらいに納めてほしかった。ミュージカルモードでは何度も寝入っちゃったわ(笑)
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2006年02月07日

「テッセラクト」('03 タイ、日、英/監督:オキサイド・パン)

「ならば、三次元は四次元の展開図である」という冒頭ナレーションの意味、あるいは劇中で少年が人生について語った言葉「箱の中身は開けてみなければ分からない」との関係の含意はラストシークエンスにおいてようやく明らかとなる。

ホテルに居合わせた三人の大人たちとボーイの少年のそれぞれの運命が、序々に縒りあわされていき一つの飽和点を迎える。その末路自体に倫理的、あるいは感傷的な寓意は込められていない気がした。この映画の最大の胆はクライマックス直前でのボーイ少年と女性心理学者との会話にある。人生の先と因果を見通せない事実において、生きとし生ける者すべてが「似た者同士」。リスクを知りながらも、危なげな箱の中身をのぞきこまずにはいられない人間という存在への愛おしみ、そして現実という立方体を広げて展開させることで切実な衝動を満たすことができる、映画芸術の構造論をはらんだ創造性。殺伐とした展開を重ねながらも、一抹の暖かさを感じさせてくれる渋みのある映画でした。個人的にかなりツボ。たぶんずっと先も忘れないと思う。

WOWOWにて鑑賞。美形俳優のイメージがあったジョナサン・リース=メイヤーズが神経過敏気味な麻薬運び屋の青年を演じているのが印象深い。他にもたとえば同じく主人公格の一人である女性心理学者など、演技の広がりが自然発生的に思えるキャスティングが全般的に素晴らしかった。
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2006年01月04日

「フォーン・ブース」('02 米/監督:ジョエル・シュマッカー)

(作品公式サイトへのリンク)

主演にコリン・ファレルという「タイガーランド」コンビ、ふたたび。そういえばニューヨークも一つの“トラが跋扈する剣呑な地”だわなと感じたりもする殺伐とした雰囲気が、ユーモアも多く入った人間描写によって口当たり軽く仕上げられていて印象的、かつ退屈させられない。

絶滅寸前の電話ボックスから不倫トークをかます軽薄な宣伝営業マンが、突如かかってきたアサルトライフル・ストーカー男からの電話の呼び出しに応答して受話器をとってしまったことから始まるサスペンス劇。コリン・ファレルの表情豊かな演技に思わず同情。冒頭での嫌みたっぷりの様子との対比が見事でした。

オチにも形而上学的な要素がほんの一さじ入っているあたり、いかにもシュマッカー監督作品らしくてよかったと思うし。あと画面の色んな箇所に様々な大きさで挿入されてくる分割画面が電話ボックスという特異な舞台を強調する役割を果たしていて、なんとも特徴的。

でも一番良かったのは、電話ボックスをあけろを騒ぎ立てる娼婦たちとその用心棒だったり。あんたらノリノリで演技しすぎ。あまりに楽しそうすぎて笑った。
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2005年11月10日

「ブラザーズ・グリム」('05 チェコ、米/監督:テリー・ギリアム)

マニア筋には人気のある監督さんらしいですが、いちげんものの私見としてはキャラ演出が日本アニメチックで分かりやすいのが親しみ持てるなあと思いました。調子のよい食い詰めた流れ者なグリム兄弟萌え。

えーと登場人物が布石なく心変わりしたり、あきらかに物理的にムリな描写が気になったり、そもそもストーリーの流れがもたつき気味(前半ちょっと眠かった。色調ずっと暗いし)だったりと脚本がずさんだなあと感じたけれど、見終わった後にはそれなりに楽しい満足感が。弟(ジェイクは実際には兄の名前らしいけど)がオタク気質でいいんですよ。とてもかわいい。

実際的で行動派な兄と空想的で思考型な弟が、性格の違いや共有する過去のトラウマについて時に対峙しつつも、結局はお互いに補いあって一つの目的を果たして愛する女の村をすくう。そんなゴーストバスターズなグリム兄弟。童話モチーフがぽろりぽろりと使われているのと、田楽マン@ボーボボにシルエットが似ているグロキモカワイイ「ジンジャー・ブレッド・マン」のなんともいえない動きやメタモルフォーゼ、あと金色の短髪がむちゃキュートなボーイッシュ少女サシャなどなど。見どころはかなり多い映画ですね。うん、やっぱり面白かった。

赤いドレスを着てオオカミの皮をかぶった美女が想い人の窮地をすくったり、反対に今度は男が女の呪いの眠りを解こうと心のこもった接吻を贈る。原典を反転させたかのような、ジェンダー解釈の皮肉な捻り方なんかも興味深かった。(追記:ふと思い出したけど「眠り姫」はまんま男から女へのキスでした。「かえると王女」の方を念頭に置いてしまっていたので、ちょっと勘違い気味でした。かえるといえばヒキガエルを舐めるシーンも面白かったなあー)
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2005年11月02日

「機動戦士ZガンダムII -恋人たち-」('05/監督:富野由悠季)

第一部と同じほどかそれ以上に面白かったです。サクサクサクと急ぎ足でストーリーが展開していくんですが、ギリギリのラインで早送りでないテンポであり、むしろスピーディーさが段々と気持ち良くなっていく。長い間の富野アニメ視聴者でいて良かった、とここで実感できるなんて思ってもみませんでしたよ。時間の流れとは不思議なもんですね。

幾組ものカップルの感情の動きと政治紛争の激動との、ズレるようでいて不思議と絡まりあっている二筋の主軸にズレが感じられませんでしてね。名人芸なキャリアの仕事が、確かに目に出来る。いややはり、これは一つの事件ですよね。評判がいまひとつな気がして躊躇もしたけど、劇場に足を運んだだけの満足感はありました。

以上、箇条書きに印象感想など。

・ベルトーチカ、感情表現がよりストレートなキャラに。ちょっち同性としてはうっとおしく思う一面も(笑) しかし川村万梨亜氏の声は昔とくらべてかえって若々しい!

・マウアーの出番すくなっ。もっと新作カット見たかったよ〜

・フォウはあえて軍人っぽくしゃべってるシーンが多かったのがかえっていたいけな印象が強まっていてよかった。けっこう日本人っぽい顔立ちかもと新作画部分に感じた。ゆかな氏の声質や演技は個人的にはよく合っていたと思いました。

・サイコガンダムが埠頭で跪くシーンが、Mk-IIとの大きさの違いも際立っていてスケール感豊かでシビれた。

・エマさんが、ヘンケン艦長視点で演出付けられててめっちゃ可愛い。というか、もしかしてこの人が一番美人か? おめめパッチリ。

・クワトロたんは食事時にはちゃんと長赤手袋を外す。レコアとは本格的に関係はじまってなかったのか〜

・自爆を決めたウッダーと自発的に付いていく連邦軍の人たちとの感動的ともいえる素直な演出がかなり印象に残る。こういうこまやかさはTVシリーズにはあまりなかった味わい。

・池脇千鶴氏のサラは、彼女の中のふつうの少女っぽさが補強されていて良かったです。映画的な感触。

いやー、しかし最も因縁的というか微妙な関係の「恋人たち」であるハマーンとシャアの再会で最終第三部への引きとしているのは、心憎いですよね。来年三月が楽しみです。
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2005年09月15日

「チャーリーとチョコレート工場」('05 米/監督:ティム・バートン)

もっと詳しく言えば「チャーリーと4人の糞ガキとトラウマ色々な変態もとい変人が経営する怪しげなチョコレート工場」。『ペアレンツ』(両親)と口にできないウォンカ社長@ジョニデプモエーモエー

オープニングタイトルやチャーリーの傾いた家はバートンのいつもの十八番な暗めのゴシック調で良かったんだけど、工場の中に入ってから(ただしチョコレートの滝が流れる原生林は良かったと思う。…もしかしてあそこで制作予算大幅オーバーでも発覚したんだろうか)はやたら原作から乖離したハイテクかつサイケデリックな世界が炸裂してるんだよねえ。落としどころが家族バンザイ!といった単純明快なだけなものだったのも何だかなあ。

まあ私はジョニデプが7割ほど目当てで観にいった感じだし、小学生時代に読んだ原作はあらかた忘れてるしで、腹が立つまでは行かなかったけど、とはいえやはり正直いまひとつな出来かなとは思いました。来月公開の「コープス・ブライド」の方がバートン的に本命なのかなあ。

チャーリーんちの家族描写(4人で一緒に寝てる祖父祖母、懐かしかった。あのベッドの省スペース利用法は原作でも印象強かったわ)と同じぐらいに、学校や街中でチャーリーがどういう感じでわびしく貧乏暮らししてるかを描けてないから、ゴールデンチケットが当たった時の感動があまり伝わってこないんだよね。構成的な山場がどうも乏しい。

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2005年07月16日

「ゴシカ」('03/監督:マシュー・カソビッツ)

スタイルはゴシック・ホラーなんだけど、テーマ的にはあるいは女性映画とも取れるかも。ラストシーンは爽やかさと暗い余韻が合わさっていて良かったと思う。

ハル・ベリー(この人、演技力すごいね)演じる女性精神科医が、とある不可思議な出会いがきっかけとなって突然“診る側”から“診られる側”になるという導入部の閉塞感が圧倒的。閉鎖病棟の狭さや薄暗さがよく再現されていて見ているだけで息つまりそう…

仕掛けネタは、明かされるまで予想がつかなかった。けっこう大胆なアイディアだけど有り得そうな範囲でもあるのでなかなかよく出来ていたと思う。

公式サイトへのリンク。

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「シークレット・ウィンドウ」('04/監督:デビッド・コープ)

ええー、これスティーヴン・キング原作なのか。私、(ビデオで)見ながら「ふむふむ、ここやここなんか『シャイニング』のオマージュなんだ、監督おちゃめー」とか思ってたのに…

家庭問題に悩む流行作家を主人公としたサイコサスペンス。仕込みネタの難易度は高くないけど、オチがけっこう意表を突かれて印象が強かった。

まあそれよりなにより、監督さんがすごくジョニー・デップの萌えどころをよく分かってらっしゃる(劇中でも郵便局員のねえちゃんが『かわいい』とかぼそっと呟いたりしてるし)。眼鏡をかけて(めがねっ男の役多いよなあ… やっぱり黒ブチがベスト。)もっさりとして多眠症気味、どっか地に足が着いてなさげで大人になりきれてる男(で妻を寝取った男)を見るとついついネチネチと毒づいてしまう。なんていうか、ジョニー・デップの“中身”のイメージをこうまで反映されてる役柄ってこれまでなかったんじゃないかとか、私見するのですが。ジョニデプ好きなら必見ですよ。

公式サイトへのリンク。
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2005年06月26日

「機動戦士Zガンダム-星を継ぐ者-」('05/監督:富野由悠季)

一言で印象を評すれば『グラマラス』。神経症的にディスコミュニケーションが基調だったTVシリーズ版とくらべてぐっと登場人物たちへの感情移入がストレートにできる。台詞の一つ一つに体温が感じられるようで、新作画部分の柔らかい表情の付け方とともに魅惑的だった。メカアクションも同様に有機的な感触が増しており、TVシリーズの素材を主要に用いていながらこうまで印象に差異がでるかと驚かされる。連邦政府内で傲岸不遜凶悪非道に采配をふるうエリート軍組織・ティターンズに込められた寓意が放映当時よりも現在の方がより具体的に感じられることも含めて、今の時代に『新訳』しようとした富野監督の意図は脱トミノ信者化した私にもビンビン伝わってきました。構成に隙がない(カミーユが起こした決定的な一悶着の経緯と結果を逆に置いているあたりトリッキーながらなめらか)ためか、さほど自分にフェティッシュなマニア性が薄いためなのか、個人的には新旧作画のギャップはほとんど気になりませんでしたし。むしろ、新作部分が思っていたより多いのに驚いた。

男性キャラももちろん厚みを増していた(ブラン・ブルターク、出番少ないのに印象強ぇー 整備員とのやりとりがなんかいい)けど、女性キャラが本当に魅力的でしたね。レコアやエマ、あとフラウが心ここにあらずなアムロに複雑な気持ちで涙を浮かべるシーンなんて、TV版との違いが明らか。物語の渦中にある人の苦悩とは別に、入り込めない人の切なさも同時に描かれており、こういったささやかな味付けが映画の格調を高めるのだなとか思ったりもします。

それにしても、わざわざデフォルトの長手袋を脱いで美少年へのセクハラ(監督コメントによると『逆襲のシャア』におけるナナイに甘えるシーンに対応する描写らしいですが、正直よく分からない(笑))に待機する金髪の人ってば… すばらしい。20年前も好きだったけどもっと好きになった。続く第二部、第三部で加速していくへたれっぷりを想像しただけで息が荒くなりそうです。

あ、あとEDクレジットと第二部予告を繋ぐ形で奥から手前にズームインしてくるフォウとベルトーチカの立ち姿(フォウがちらっと足を動かす-組み直す?-のがいい!)はいまだ網膜に焼き付いております。論理性なテキスト的でもあり、絵画性のイラスト的でもあり…とにかく凄いトミノチックですよね、あのアイディア!!
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2005年05月29日

「アリーテ姫」('00/監督:片渕須直)

騎士(揃いもそろってロクデナシに描かれてるのがやっぱり斬新)が王女への求婚条件のために探索してきた“妖精が中で踊るクリスタル”が妙なる音色とともに光を発しながら回るシーンの美しさは、劇場で見た際の印象の強さには当然ながら及ばず。それでも夜の10時から、この教育的に見えながらもなかなかに渋いアニメ映画を放映してくれたNHK-BSハイビジョンチャンネルにはお礼を言いたい。

えーと、二度目に見てあらためて思ったけど、アリーテ姫が自分の来歴を自らの言葉で紡ぎ出してからの展開に、やや“おいてけぼり感”を持つ。自己イメージを自分自身が規定する、その強さの意味が、それまでの展開においてさほど浮かび出ていない(父王がまるで傀儡人形のようになってしまった経緯を軽く見せてあったらよかったかも)せいに思えるわけで。それと世間に出たアリーテのその後の苦難(中世ヨーロッパ風の世界設定なんですよ?)を想像すると、見ているこちらの方がおそろしくなってしまうんだよなあ… あまりにも手放しで自由な身分を賞賛しすぎというか。どこに待ち受けているか分からないトラブルを想像して恐れを見せる表情を付けたり、あるいはアンプルの村でしばらく過ごしてみる(あ、もちろん「金色の鳥」の探索のあとで。)というオチでもよかったような。

状況設定には光るものがあるのに、寓意面とのリンクがいまひとつ巧くいってないような、そんなもどかしさがある映画であるように私見する。…もっともそんなものは飾りですというアプローチが取られている“なんちゃって教育アニメ映画”であることも気付いてるつもりでもあるんだけど。質感にすぐれた映像の美しさやゆったりとしてどこかフェティッシュでもある-なぜかボックスとグロベルがまずそうな食事を汚らしく口に入れていくシーンがエロティックにすら感じるんですが、私だけ?-動作演出だけで、十分にお腹いっぱいになれる。その点だけで、何度も見るに値するアニメ作品になってるのもまた事実かと。
posted by 三和土 at 10:35| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画鑑賞メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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