2007年04月08日

(2007春:新)「地球へ…」

UVERWorld(綴り違ってたらごめんして)の歌うOP曲いいなあ。今期一番好きかも。画面もいいわ。特にキースとフィシスが近寄るけどパッと離れるカットとジョミーがとんぼぎりみたいなアクションするところ。

これまで観た今期新番の中で頭から終わりまで入り込んで楽しめたのは「鋼鉄神ジーグ」とこれだけ。手指や足先の動きの情感に気を配っていたり、母親がせめて服を着せてやってくれと必死にパジャマを押し付けたりといった地道な演出と顔立ちが華やかな結城デザインとのバランスがいい感じ。これなら多少作画が崩れても気にならないかも。

ストーリーについてはSFではおなじみのディストピアものの発端なんだけど、ジョミーがどの時点で成人検査の非人道さに気付くかという点でけっこうサスペンス感があった。ナキネズミ(しっぽふさふさかつちゃんとどうぶつどうぶつしててかわいー)の感応波をジョミーが受信したことでミュウ組織の構成員が素質に気付くシークェンスで思ったけど、ミュウは社会のタブーに気付くほどに感受性の幅が広い若者の暗喩なのかもね。

しかしアトラクションのライドぶっ飛ばして脱出させるブルーの手荒いこと(笑) あと精神探査されるジョミーがかけられてるマシンがまるで60年代海外SF映画のプロップみたいで驚いた。

あ、原作は未読です。映画版は途中まで視た(そろばん塾から同級生が呼びにきて家を出なければならなかった)記憶があるけど内容は全然覚えてなかったり。
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(2007春:新)「精霊の守り人」

プロダクションI.G制作のアニメにはどこかしら教条主義的な雰囲気を感じていたけど、それゆえにか意外にNHKの雰囲気に合ってる。反面、スタッフが重なる「攻殻機動隊S・A・C」シリーズの時よりも演出がさらにこなれて感じるのは、原作付きゆえの脚本面の土台の確かさの賜物か。

全体的にテンポがゆったりとしていてやや退屈な部分もなくもないけど、ヒロインが招かれた先の寝所に皇后が訪ねてきてからは自然に引き込まれた。幼い少年を間に置いての立場のまったく異なる二人の女性の、表面上は礼儀にのっとりつつも水面下では真剣勝負の丁々発止な言葉のやりとり。そしてしめくくりは皇后の問いに答えて、バルサが心に決めたつぐないの最後をやり遂げようとしていることが明かされる。

美しく緻密な背景描写で世界観を端的に示して、練られ縒り合わされた脚本と演出のコンビネーションで物語の発端に説得力を付し、そして定評ある作画力でアニメーションとしての醍醐味を魅せる。とはいえケレン味の薄さがなきにしもあらずだけど、それさえカバーされているかのような堅実な初回でした。それにしてもチャグム皇子は放映前に持ってた印象よりずっといとけない。「もうあなたは皇子ではなくなった」と母から現実を告げられて流浪の身となった少年は、果たしてどこに自分の居場所をみつけるのだろう。

ところで星読みの学者が白髪ロンゲの美形で見るからに怪しいのが笑える。このあたりのノーガードぶりもI.Gらしいよねー
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(2007春:新)「風の少女エミリー」

OPは堀江美都子氏の歌唱力も感動ものだけど、メロディラインがとてもきれいですね。ED担当のEPO氏はファンなんでうれしい。あとイラストが切り絵調で渋いというか味わい深いですよ。

冒頭では「この独り言の多い夢見がちな少女をどうすれば…」(同じく原作者自身がモデルであるらしい『赤毛のアン』アニメ版はその点びっくりするほど処理が上手かったんだなあとか思った)とはやくもぐったりしたけど、父親がスピード展開で亡くなって(肺結核とかかしら)からマレー家の面々が登場して急速に現実感が増し、ぐっと話に引き込まれた。クライマックスは当主のエリザベスがエミリーの引き取り手をお互いに押し付けあった結果のくじびきを反古にするところ。厳しく冷たいようで、実のところは一本筋の通ったまっとうな女性であるところがたちどころに理解できる演出でした。変わり者そうだけど気の好い親戚のおじさん・ジミーや控えめで優しいローラといったエミリーの味方になりそうなキャラも少なくないので、前向きさを素直に楽しめるアニメになりそう。
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2007年04月07日

ダンクーガノヴァ#8/東京魔人學園#12

「過去からの脱出」:前回からの繋がりはよく分からなかった(というか先週の結部をちゃんと視てなかった)けど、洞窟の中でダンクーガを降りて生身で逃避行する羽目になった四人がパイロットになった心の裡を明かしあうエピソード。これってつまり天然カウンセリング(15歳のあの子は癒し役ではあるけどカウンセラーとしてはあまり働いてないのというギャグは割とさりげなくて良い)だよね。暗い洞穴を抜け出すことも重ねて、彼らは今回を持って“生まれ変わった”ということか。脚本重視なこういう作品は、他の面で出来はいまひとつでも嫌いになれない。

「九角復興」:これもまたまつろわぬ者の怨念が発端という話なのね。そしてマリィの『あの方』は柳生家の者なのか。…でも柳生ってたしか将軍家に仕えてたんだよね。獅子身中の虫という役回りなんだろうか。今回は今までよく分からなかった物語設定がテンポよく解説されて合点がいった。ラストカットの愚連隊もどぎテイストといい、演出も伏流的に熱い。「あいつはおれが必ずやる」「やらせないよ」というやりとりは笑えるけど。なんてテンションの低い主人公だよ。しかし葵はある意味「汚れヒロイン」を極めつつあるなあー 徹底した不運ぶり、嫌いじゃないぜ。あ、作画は意外に復調しました。ただし九角の手のひらがのっぺらと関節なしだったカットは目に焼き付いたけど。敵役のせいか前回も未修整部分の割をくってたなー
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2007年04月06日

(2007春:新)「鋼鉄神ジーグ」

激燃えた。OPのラストに水木アニキの声で『鋼鉄神ジーグ!』て!! 俯瞰のガッツポーズなジーグが背景で!! 今期のWOWOWロボットアニメ陣は「REIDEEN」で萌えて「鋼鉄神ジーグ」で燃えることに確定。リメイクでもできるもんだなあ。

何が素晴らしいって、ハニワ幻人なんとかせな! って思わされちゃうんですよ。だってTVの天気予報から九州地方が消えてるんですよ!!ああー、悪の埴輪たちによって巨大な暗雲に巻かれた九州(本作は邪馬台国畿内説不採用なのね)に住む人たちはどんな目に遭わされてるのか…ああー埴輪にされちゃってるのかもしれない(だから外部と通信できないのかも)。それでとうとうにっぽん本州にも魔の手が。巨大生物が暴れたことにより街が壊されてそれに巻き込まれる人々がくどくないけどなかなかリアルな描写。

次に素晴らしいのはヒロインのつばきちゃんがめちゃめちゃ可愛い。永井豪タッチのアクを絶妙に残しつつ洗練したキャラクターデザインは、動いたらさらに魅力を増していて、これはメインキャラクター全員に言えること。あと幼なじみの主人公を校庭で追っかけるのとかふた昔前の学園ドラマみたいでたまらない。

前作にさして思い入れはない(超合金おもちゃは家にあったけど、放送自体は当地ではなかったんじゃないかなあ)けど、アナクロさをきちんとくるみ込んで咀嚼したリメイクぶりがとても好感が持てる。ところで作画(余談ながら部分カット的にバイクにまたがったキャラも一緒に3Dモデリングしてたのは面白い処理だと思った)の方はまさか今回のレベルが保たれるとは思わないけど、これからも要所だけでもがんばってほしいです。
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コードギアス#20/銀魂#49

「キュウシュウ戦役」:前回に引き続いてユーフェミアが発狂したかのごとく馬鹿。いや、ここまで場違いな行動と発言する子じゃなかったでしょ… ちょっとついていけない展開。そんな中、空飛ぶ戦艦(これなんだかとってもFSSちっく)から敵地へ発進するランスロットをナビするロイドの副官(名前度忘れ)のふだんと一線を画したぴしっとした口調がよかった。細部はいいんだけど、総論として妙なところが目立ってきちゃってるんだよなあ。

別ver.OPいいですね。うまいこと早口気味だし:きちんと第一期満了の謝意を示す律儀さが本作らしい。ここまで視聴者とのコミュニケーションを意識し続けている番組はアニメ全体でも、ましてやマーチャンダイジングの鬼であるジャンプアニメにおいては異色。二年目もどうぞがんばってください。EDに編集されていたより抜き名場面を見ていると、力のこもったフィルム作りがされていたとあらためて。あとゲストキャラのキャストまで全員クレジットしたのは今までありそうでなかった(と思われるんだけど厳密なところは分からない)。本編の方は伝説のギャンブラー・アカゲ(福本伸行キャラってやっぱりこすい顔してる(笑))を偶然の運で打ち負かした長谷川さんというオチにちょっとしたカタルシスが。ギャンブルと人生はこれだからおもしろい、って感じでしょうか。
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2007年04月05日

(2007春:新)「天元突破グレンラガン」

これ、作画の豪華さとGAINAX作品としての文脈がなかったら単にたいくつなアナクロさにしか思えない。あと子供に見てもらうにしてはレイアウト凝り過ぎというか、画面も暗めすぎるというか。もうちょっとストレートなつかみの初回くると思ってたんだけどなあ。

向いてなかったわ。「銀魂」と続きの枠なんでしばらくは視聴続行だけど、レギュラー感想は無理そう。言いたいことが見つかりません。
posted by 三和土 at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月04日

(2007春:新)「桃華月憚」

とうかげったん、と読むそうで。耽美系ミステリー純愛もの?

というわけで、BS朝日での放送を試しに視てみました。ゲーム原作アニメは苦手なので、最初から理解することを放棄してはいたけど、清々しいほど描写の意味とかカット同士の繋がりが分からなかった(笑)

でも速水奨がスーツきた初老のおっさんの声を当ててるのとか、例によって若すぎるおかあさんキャラのセリフが凄すぎる(「お部屋はあたたかいのに私の心の中はさむいよ…」)のとか、完全に老人なのに絶倫という設定を示すために御簾の奥で騎乗位アンアンとか、伝奇っぽいミステリー部分とか、様式のごった煮ぶりとかになんとなくとっかかりに感じるものがあったので時間が合えば来週も視てみようかと。「サブタイトル さくら」と抑揚を消した中年女性の声で画面上の字を読み上げる演出は、音声放送の一種の無気味さを意識してるとか?
posted by 三和土 at 15:42| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

MOONLIGHT MILE#5/D.Gray#25

「星の街から」:おお、ここにも岡本真弥さんが。稚気を一部に残したかわいい大人の女がこれほど似合う声優さんも他にいない。今回は演出の良い回でした。ターニャは顔立ちといい、芸術への態度といい、とてもロシア人っぽさが出たいいキャラ。彼女の境遇はむしろこれからさらに堕ちていく予感もあったけど、それと引替えにする形で吾郎へのエールを人知れず送る、そんな姿勢に宇宙への憧れに命を賭けるアストロノーツと通ずるものがある。

「元帥の鎖」:これからの展開がシビアさを増していくことを遺憾なく示した好アレンジ。地獄を常に見ているアレンだからこそ、それ以外の面を大事にしようと思っているわけで。ただ、そんな努力の糸もいつかは切れてしまう予感もある。にしてもイエーガー元帥(持ち技がアンドロメダ瞬)は全然厳しいとこ見せなかったじゃん(笑) それと若き日の元帥を助けたアーチャーのエクソシストがかっこいい。もひとつ、蝶をおっかけてたティムキャンピーがかわいかったね。ひとときの凪を演出してて印象的だった。
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2007年04月02日

少女コゼット#13「ジャン・ヴァルジャンとコゼット」

抑えに抑えてヴァルジャン、強欲夫妻の足を掬う。今週もスカッとした。特に夜にふらっと出てって露店で人形を買ってくるシーンのあまりのグッジョブぶりには思わず笑いが。笑いといえばテナルディエとヴァルジャンが同じテーブルに座っているツーショットの違和感がなかなかシュールですてき。無駄に追求はせずにとにかくコゼットを手放させる必要があるためにあざとい描写になってないのが上品ですね。このあたりはユゴー作品の特徴なのかもしれないけど。

しかしカヴ坊のいじらしさにはグッときたよ。シュシュとともに付いてきてアニメオリジナル色を強める展開になってもやはり破綻が出るかもしれないしね。ちょっと切ないけど別れはしょうがない。そして逆恨みの激しいエポニーヌ。彼女は結局コゼットの純心さをひがんでいるだけと決定的に明らかになった回でした。ただただ自分の欲のために他者を搾取するテナルディエやおかみよりかは、可愛げのある『悪』。それゆえによりストレートに、自分自身を蝕む予感のある敵意ではありますが… うーんやっぱり憎めないなあ、エポ子。
posted by 三和土 at 15:26| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ/TV番組感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする