WOWOWにて視聴。ファントムってものすごく可哀想な、近代ヨーロッパにおける後進性の犠牲者なんですね… もっと超然とした存在かと思ってたから意外でした。彼を匿ったメグの母親はすごくいい人で感心したけど、彼の天性の芸術性をその前に知る機会があったという設定を作った方がよかったかもしれない。ファントムには芸術の美しか信じられるものがなく、見初めたクリスティーヌにも同じように閉塞した世界でともに暮らしてほしかった。で、クリスティーヌにしてもその願いに共感するきらいもなきにしもあらず、なんだよね。でもつまるところ結局は美貌と富と権力と人望(どんだけ持ってんだよ子爵様ww)の揃った幼なじみと陽光の下を生きることを選ぶ。というかもっとあからさまに言えばファントムの異形に腰が引けてしまう。…無理もないっちゃあないけど、しかしきつい話だよなー哀しい話だよなー。救いが、あるんだかないんだか分からないラストも切ないよ。
そういった世知辛い“真実”とオペラ座の絢爛さが象徴する“虚構”の相対、版画を思わせる処理のモノクロ画像部分の19世紀という現在パートの寂れ具合と総天然色で活き活きと撮られる18世紀の過去パートにおける魅惑的なノスタルジーの対比。けれん味と渋みがきちんと両立されているあたりはさすがシュマッカー監督。条件反射的な反応を狙って作られてるありがちなハリウッド映画とは一味ちがいます。
…でもできれば2時間弱ぐらいに納めてほしかった。ミュージカルモードでは何度も寝入っちゃったわ(笑)
2006年03月15日
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「オペラ座の怪人」
Excerpt: 世界中で公開されたミュージカルを映画化した「オペラ座の怪人」(2004年、米・英、ジョエル・シューマカー監督、ワーナー映画配給)。この映画は映像として、まるでルキノ・ヴィスコンティ監督の「ルートヴィヒ..
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