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斎藤貴男 著/岩波書店(岩波新書) 刊
章の中で最も新しい話題であるのは冒頭の“イラク三邦人人質事件へのバッシング批判”テキストだが、斎藤氏の面目躍如たるのはやはり携帯電話や自動改札が蔓延する社会方向への間接的な結果をも含めた敷衍の論考だろう。一見、有効で簡便に見える過度なシステム化にひそむ権力主体の思惑への視点。たとえば、ここ数年で盛り場に設置されている犯罪防止用の監視カメラについては“カメラの死角に移動して今まで通りに犯罪が起こるだけではないか”、“カメラを設置した事自体が民衆へのブラフとなってかえって防犯活動の密度が低くなる恐れについて論議されてはいるのか”といった具体的な提議がなされており、設置する側からは決して口にされる事のない論点を粘り強く展開させる斎藤氏の活動は、こんな世情においてこそ必要度をいや増していると感じられる。
2004年10月14日
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